OEKのCD

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2019/03/09

快晴の中,エンリコ・オノフリさん指揮・ヴァイオリンによるOEK定期公演へ。モーツァルト25番はこれまで聞いたことがないような濃い演奏。未知の作品,ハイドンの70番もとても面白い作品。「春へのコンブリオ」といった感じの公演でした。

本日の金沢はすっかり春になったような快晴。その中,午後からエンリコ・オノフリさん指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)定期公演,マイスター・シリーズを聞いてきました。今シーズンのマイスター定期には,「コン・ブリオ」というキャッチフレーズが毎回入っているのですが,今回演奏された,モーツァルトの交響曲第25番とハイドンの交響曲第70番には,共に第1楽章に「コン・ブリオ」という指示が入っていましたので,このコンセプトにぴったりと言えます。今年の金沢は暖冬でしたが,この両曲を中心に,精緻さと同時に前向きな熱気のある演奏で,「春へのコンブリオ」といった感じの素晴らしい公演でした。

オノフリさんが登場する公演については,毎回,どういう表現をするのか読めないスリリングさがあります。今回も,お馴染みのモーツァルトの交響曲第25番がオノフリ流にガラッと変貌していました。初めて聞くハイドンの交響曲第70番については,「ハイドンはこんな変わった交響曲も作っていたのか」という発見の喜びがありました。

まず最初にオノフリさんの弾き振りで,ハイドンのヴァイオリン協奏曲ト長調が演奏されました。演奏される機会の少ない作品ですが,バロック音楽の名残を残しながらも,ハイドンらしい朗らかさな美しさもある良い曲でした。オノフリさんのヴァイオリンは,バロック・ヴァイオリンということで,音色的にはやや落ち着いた感じがしました。その清潔感のある音と同時に,急速なテンポの最終楽章での見事な技巧に圧倒されました。さすがと思いました。

ちなみにこの日のオノフリさんは,マフラーをしていなかったですね。以前はマフラーでヴァイオリンを固定していたと思うのですが...方針を変えたのでしょうか?

続いて上述のとおり,モーツァルトの交響曲第25番が演奏されました。冒頭からゴツゴツした雰囲気の中に十分なエネルギーが込められたような演奏でした。各楽器とも,音を長く伸ばす時に,クレッシェンド気味に音を膨らませていたのが独特で,オノフリさんならではの,濃い音楽を作っていました。その一方,いつも聞き慣れているのとは違う対旋律がしっかり聞こえてきたり,細かい音のバランスにもしっかり配慮をしていました。

この曲はホルンが4本入るのですが,このホルンを最後列両端に2本ずつ分けていたのも独特でした。それと各楽章とも繰り返しをしっかりと行っており,オノフリさんならではの「過剰感」が倍増している感じでした。これまで聞いたこの曲の演奏の中でも,特に個性的で印象的に残る演奏だったと思います。

後半はロッシーニの「セビリアの理髪師」序曲で始まりました。オノフリさんの指揮のレパートリーも,バロック音楽から古典派,ロマン派へと拡大しているのかもしれません。この演奏を聞いてまず,「イタリアだなぁ」と思いました。冒頭からトランペットの音が明るく突き抜けて聞こえてきました。テンポは全体に速めでしたが,弦楽器のカンタービレに透明感がありしっかりと歌われていました。管楽器にもすっきりとした美しさが溢れていました。曲の最後の部分の,お祭り騒ぎの雰囲気もラテン的で良いなぁと思いました。

独特だったのは,通奏低音が入っていたことです。この日は,ロッセッラ・ポリカルドさんという方がチェンバロを担当していましたが,主部が始まる部分で,チャッチャッチャッチャッ...と音が聞こえてくると,ちょっとヴィヴァルディの「冬」の第1楽章あたりと通じる雰囲気になるのが面白いな,と思いました。

演奏会の最後は,ハイドンの交響曲第70番でした。未知の曲でしたが,この曲の構成自体が独特でした。第1楽章は,トランペットやティンパニが力強く入り,祝典的な気分で始まります。独立した序曲のような感じがありました。第2楽章は,反対にちょっと不気味な気分が漂う,暗さと明るさが交錯するような楽章。第3楽章は異様に力強いメヌエット(これはオノフリさんの指揮のせいかもしれませんが)。最終楽章が二重対位法を使った楽章ということで,後期の交響曲の展開部がいきなり始まったような充実感。ハイドンの交響曲にも色々ありますが,特に個性的だと感じました。

このちょっと破格な雰囲気が,オノフリさんの指揮の,良い意味での少々エキセントリックな雰囲気とうまくマッチしていると思いました。コンサートミストレスのアビゲイル・ヤングさんを中心としたOEKの音には,美しさと精緻さがありましたが,それにオノフリさんの「思い」がしっかりと加わり,ハイドンの技や工夫に命が吹き込まれていたように感じました。

というわけで,是非,オノフリさんには,今後も古典派交響曲シリーズを期待したいと思います。

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