OEKのCD

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2019/09/14

岩城宏之メモリアルコンサート #鶴見彩 さんのピアノによる誠実さのある協奏曲第4番。#ユベール・スダーン さん指揮OEKによる,新鮮で骨太の交響曲第5番。このベートーヴェン2曲に加え, #木村かをり さんのクールなピアノによる #湯浅讓二のピアノ・コンチェルティーノ #oekjp

毎年9月,OEKの秋の新シーズンの開始の時期に行われている,岩城宏之メモリアルコンサートを聞いてきました。この演奏会では,その時の岩城宏之音楽賞受賞者とOEKが共演することになっています。今年はピアニストの鶴見彩さんが受賞しました。

鶴見さんといえば,石川県新人登竜門コンサートに出場して以来OEKとのつながりの深い方で,金沢で行われるOEKメンバーとの室内楽公演にも頻繁に登場されています。OEKのメンバーにとっても,「ファミリー」と言って良いような信頼を寄せている実力者です。

その鶴見さんが選んだ協奏曲は,ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。「皇帝」や第3番に比べるとちょっと控えめだけれども,ロマンティックな香りや美しい瞬間にあふれ,さらには,ベートーヴェンらしい芯の強さのようなものも求められる作品です。この選曲は,鶴見さんの雰囲気にぴったりだと思いました。

演奏の方も,第1楽章冒頭の印象的なソロから誠実さのある演奏を聞かせてくれました。大げさになりすぎないけれども,しっかりとした足取りの中から美しさがにじみ出てくるようでした。第3楽章を中心に軽快な音の動きも心地良く,しかし浅薄にならず聞かせてくれました。

ユベール・スダーンさん指揮OEKの演奏も,共感に溢れたもので,鶴見さんをしっかりバックアップしていました。第3楽章に出てくる,チェロやヴィオラのオブリガードのメロディを室内オーケストラらしい響きで美しく聞かせてくれたのも印象的でした。第3楽章のコーダの部分の力強い演奏などは,「これからもがんばって」と強く後押しをしてくれているようでした。

前半では,岩城さんの夫人であり,音楽賞の審査者でもあった,木村かをりさんの独奏で,久しぶりの再演となる湯浅讓二さんのピアノ・コンチェルティーノが演奏されました。木村さんの演奏は,相変わらずクールでした。この曲自体にも涼やかな雰囲気があり,ピアノとオーケストラが一体になって透明感のある世界を作っていました。曲の最後の方は,ピアノの音がクリアな空気に溶け込んでいくような不思議な雰囲気を感じました。岩城さんは,生前「初演魔」と呼ばれていましたが,過去のコンポーザー・イン・レジデンスの作品の中から,特に特徴的な作品を再演していくのも意義のあることだと思います。

演奏会の後半では,ベートーヴェンの交響曲第5番が演奏されました。定番中の定番の作品ですが,スダーンさんの解釈は非常に新鮮でした。全体的に速めのテンポで,所々,前のめりな性急さを感じさせる部分もありましたが,この辺もしっかり計算されている感じで,曲全体として聞くと,揺るぎない安定感を感じました。

各パート,各楽器ごとの歌わせ方に独特の強弱を付けているなど,「小技」を色々と盛り込んでいるようなところもありましたが,そのアイデアの数々がビシッと決まっており,演奏全体を非常に生気のあるものにしていました。

ただし,全体の印象としては,細かい部分にこだわることよりは,楽章ごとに,太い筆でしっかり描かれたような骨格をしっかり感じさせるような演奏で,4つの楽章の性格がきっちりと描き分けられた,交響曲らしい演奏だったと思いました。

スダーンさん指揮OEKは,来週は定期公演として,同じベートーヴェンの交響曲第7番を演奏します。同じ奇数番の曲を,どう聞かせてくれるのか大変楽しみです。

PS. この日は終演後,サイン会が行われました。サイン会には毎回のように参加しているのですが,本日はすぐに帰宅する必要があったので,参加できませんでした。残念。

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