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2019/11/23

能美市根上総合文化会館で行われたNHK-FM「古楽の楽しみ」の公開収録に参加。メゾ・ソプラノの波多野睦美さん,司会・チェンバロの大塚直哉さんを中心にイタリア古典歌曲,英国のバロック歌曲など美しい曲を沢山楽しんできました。

本日はNHK-FM「古楽の楽しみ」の公開収録が能美市根上総合文化会館で行われたので聞いてきました。この収録ですが,NHK金沢のローカルニュースの時に流れていた「お知らせ」を見て,入場整理券を抽選で入手して参加できたものです。実は「古楽の楽しみ」は聞いたことはなかったのですが,大昔,「バロック音楽の楽しみ」というタイトルだった頃は,朝の目覚まし時計代わりによく聞いていました。出演者は,番組の司会者の一人である,チェンバロ奏者の大塚直哉さんに加え,メゾ・ソプラノの波多野睦美さん,バロック・ヴァイオリンの大西律子さん,宮崎蓉子さん,池田梨枝子さん,バロック・チェロの山根風仁さんの合計6人でした。

今回は2回分を収録したのですが,テーマの方は1回目が「イタリア古典歌曲を中心に」,2回目が「イギリスのバロック歌曲を中心に」ということで,波多野さんによる歌がメインでした。短めの曲が多かったので,各回ともトークを交えて,9曲ずつ演奏されたのですが,日頃,聞く機会の少ないバロック時代の美しい歌曲やアリアをしっかりと聞くことができ,大変充実感のある時間を過ごすことができました。

私自身,バロック以前の音楽を聞くのは少々苦手で(正直なところ,良いと思うけれども,あまり区別がつかないのです),特にCDや放送などで聞いた場合,BGMのような感じで聞き流してしまいます。今回の会場は,根上総合文化会館という室内楽を聞くのに最適のホールだったこともあり,バロック音楽の良さを気持ちよく味わうことができました。

特に波多野さんの声が素晴らしいと思いました。叫ぶような感じは全くなく,会場の空気と一体となったような,非常に自然で透明感のある声を聞かせてくれました。ヴィブラートが少なく,スッと耳に入ってくるのですが,心地良い暖かみがあり,曲の内容に応じたドラマを伝えてくれました。どの曲も素晴らしかったのですが,「2回目」の収録の最後の方で歌われた,パーセルの歌劇「ディドとエネアス」のアリアに,真っ直ぐに耳に飛び込んでくるような切実な美しさがあり特に印象的でした。ちなみにこのアリアですが,11月7日に行われたオーケストラ・アンサンブル金沢の小松定期公演で,小泉詠子さんの歌で聞いたばかりだったので,思わぬ形で聞き比べができました。どちらも良かったのですが,オーケストラ伴奏版よりはさらにインティメートな雰囲気が感じられました。

この波多野さんの声と,バロック・ヴァイオリン,バロック・ヴィオラ,バロック・チェロ+チェンバロの声の取り合わせも最高でした。現代の楽器よりも少しテンションが低いのですが,その分,しっかりと耳に絡んでくる...といった優しさを感じました。この波多野さんと古楽器の組み合わせの雰囲気は,「癖になる」かもしれません。

今回は歌曲が中心だったのですが,もう一つのテーマは「チェロとチェンバロが演奏する,バスの動き」でした。しつこく繰り返されるオスティナート・バスにも,色々なタイプがあることを,大塚さんが丁寧に説明をされました。この説明があるかないかで,曲の楽しみ方は大きく違うと思いました。大塚さんは,司会をしながらチェンバロを弾かれており大変だったと思いますが,演奏もトークもとても丁寧で,安心感を感じました。チェンバロの方は,石川県の輪島さんという方が作られているものを使っていましたが,この音も素晴らしく,聞いていて爽やかさを感じました。

収録の方は,55分の番組を2回ということで,休憩時間も合わせると,約3時間かかりましたが,大変充実した内容だったと思いました。本日の収録は,12月18日(水)と19日(木)にNHK-FM 6:00~6:55で放送される予定ですので,関心のある方は是非お聞きになってみてください。

PS.収録に先だって,「拍手の練習」がありました。数年前,NHKの別の番組の公開収録にも参加したことがあるのですが(朝ドラ「まれ」の感謝祭です),その時同様,「NHK推奨の拍手」の説明がありました。普通よりも,拍手を速く叩いて欲しいとのことでした。その方が大きく盛り上がっているように聞こえるとのことでした。私自身,結構,拍手についてはのんびり叩いていたので,最初は慣れなかったのですが,終わるころには,こちらの方になじんで締まった感じです。

 

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