OEKのCD

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2020/02/16

2019年度全国共同制作オペラ ヴェルディ「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」金沢公演。圧倒的な映像の力が作るスタイリッシュな気分の中,キャラの立った主要3人が存分の力を発揮。特にアルフレード役の宮里直樹さんの若々しい声がお見事。#oekjp

本日は午後から2019年度全国共同制作オペラ ヴェルディ「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」公演を金沢歌劇座で観てきました。主役のヴィオレッタはエカテリーナ・バカノヴァさん,アルフレードが宮里直樹さん,ジェルモンが三浦克次さん。オーケストラは,ヘンリク・シェーファーさん指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK),そして演出は初めてのオペラ演出となった矢内原美邦さんでした。

今回の公演のいちばんの特色は,何と言っても映像の目覚ましい効果だったと思います。各幕ごとに,色々なイマジネーションを喚起させる意味深かつ美しい映像を背景に投影し,オペラ全体にスタイリッシュな基調を作っていました。1年半前に観たミンコフスキさん指揮によるドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」での使い方と似た部分もありましたが,オペラと映像を結びつけるのはトレンドと言っても良いのかもしれませんね。

歌手の中ではアルフレード役の宮里さんの声が素晴らしかったですね。第1幕では有無を言わさぬ声の力でヴィオレッタを魅了し,第2幕ではヴィオレッタとの別れに際しての直情径行的な気分を声でも表現していました。終幕では,少し宗教音楽的な雰囲気を感じさせるような雰囲気の中,ヴィオレッタとの透明感あふれる二重唱を聞かせてくれました。

主役のバカノヴァさんも声に力があり,幕を追うごとに役と一体化し,終幕の最後の部分での別世界への「昇天」を思わせるような崇高な気分を感じさせてくれました。第1幕の聞きものの「ああ,そは彼の人か~花から花へ」については,後半の「花から花へ」の部分が,ちょっと重い感じかなと思いました。慣例的に超高音を出すことの多い最後の部分は,「楽譜どおり」という形になっていました。

オペラ全体のドラマの核といっても良いジェルモン役の三浦さんは,ちょっと篭もったような独特の声で,それが老いた父親の雰囲気にマッチしていました。第2幕を中心に説得力のある歌を聞かせてくれました。

今回,この主要キャスト3人の「キャラ」が立っていたのが,とても良かったと思いました。その他のキャストについても,鮮やかな色合いの衣装を着ており(ももクロ風?),遠くから見ても誰が演じているのか良くわかりました。この辺の作り方も巧いと思いました。

そして今回の上演で特徴的だったのは,5人のダンサーを要所要所で使っていたことです。音楽の流れに乗って,その場その場の気分を盛り上げるようなパフォーマンスを続けていました。この辺は矢内原さんの本領発揮といった部分だったと思います。

合唱団と合わせて特に印象的だったのは,第2幕第2場です。ジプシー風の踊りと合唱が続いた後,ヴィオレッタにひどい仕打ちをするアルフレードを責める部分がありますが,この部分については,現代社会を風刺するような作りになっていました。アルフレードを責める民衆たちは,手にスマホを持って(遠くからだったのでよく分からなかったのですが,多分),アルフレードとヴィオレッタを撮影。スキャンダルを追って,悪役を作り上げ,炎上させる...「道を外れたもの(ラ・トラヴィアータ)」を許さない民衆の持つ「怖さ」を風刺的に伝えていました。その点で,今回の上演のタイトルは「ラ・トラヴィアータ」でないといけないのかなとおもいました。

ヘンリク・シェーファーさん指揮OEKは万全の演奏だったと思います。主役にしっかりと寄り添い,各場面場面を雄弁に盛り上げていました。第2幕の途中,クラリネットのソロがひっそりと続く中,ヴィオレッタが別れの手紙を書く場面がありますが,こういった部分の共感溢れる演奏が素晴らしいと思いました。

全国共同制作のオペラもすっかり恒例になっていますが,昨年の森山開次さんによる「ドン・ジョヴァンニ」同様,新鮮な演出を披露するステージになってきているのが嬉しいですね。次作が何なのか期待したいと思います。

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