OEKのCD

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2020年8月

2020/08/24

本日のお昼は石川県立コンサートホールで行われた「ランチタイムコンサート:チェロとピアノの調べ」を聞いてきました。大澤明さんと木米真理恵さんによる,ベートーヴェンのチェロ・ソナタ5番,ピアソラのル・グランタンゴ他の充実のプログラム。コンサートホールでの室内楽にも注目ですね。

本日は休暇を取って,石川県立音楽堂コンサートホールで行われた,OEKのチェロ奏者,大澤明さんと木米真理恵さんのピアノによるランチタイムコンサートを聞いて来ました。

コロナ禍の影響で,クラシック音楽の演奏会の開催についても大きな影響を受けていますが,演奏者自体が密にはならず,発声も伴わない公演については,ほぼ問題ないと言えます。本日の公演も,チェロとピアノによる室内楽を広々としたコンサートホールで行うもので,客席の方も「市松模様」配置でしたので,安心して参加してきました。

今回,聞きに行こうと思ったのは,まず,演奏曲目に引かれたからです。ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5番とピアソラのル・グラン・タンゴという,いかにも聞き応えのありそうな曲が並んでいました。

最初に演奏されたベートーヴェンの曲は,木米さんによる,明快な美しさのあるピアノで鮮やかに始まった後,大澤さんの大らかな渋さの感じられるチェロが続き,後期のベートーヴェンの深い世界へと導いてくれました。この曲をこれまでじっくり聞いたことはあまりなかったのですが,人生を振り返るようなしみじみとした線の太い歌が続く第2楽章の後,チェロとピアノが一体になったフーガが延々と続くあたり,ピアノ・ソナタの大作,「ハンマークラヴィーア」に通じる世界があると思いました。

2曲目は,大澤さんの独奏(唱)で,ソッリマの「嘆き」が演奏されました。数年前の「ふだん着ティータイムコンサート」で大澤さんの演奏で聞いてインパクトを受けたのですが,コンサートホールで聞くとさらに楽しめた気がしました。チェロがどこかの民族音楽風のシンプルなメロディを演奏する一方,大澤さんが謎めいた雰囲気の歌を歌います。チェロとは全く関係ないメロディなので,合わせずに歌うのは難易度が高いのではないかと思います。その後,曲想が激しくなり,どこかロックを思わせる感じになります。コンサートホールの空間いっぱいに響くのが心地良く感じました。

最後に演奏されたのは,ピアソラのル・グラン・タンゴでした。往年の名チェリスト,ロストロポーヴィチのために書かれた作品ということで,そのエピソードが紹介された後,演奏が始まりました。

ピアソラらしく,純粋に踊るためのタンゴではなく,中間部はかなりセンチメンタルな気分になります。この部分では,木米さんのピアノの怪しくも美しい雰囲気が良いムードを作っていました。両端部分は,ダイナミックなタンゴで,最後はピアノとチェロが一体となって,格好良く締めてくれました。

約1時間の演奏会だったのですが,アンコールも2曲演奏されました。最初の曲は,「くまばちの飛行」を思わせるような高音域の速い動きが延々と続く技を見せる曲,2曲目はバッハのいわゆる「G線上のアリア」でした。「チェロの場合,何線になるのだろう?」と思いながら聞いていました。

というわけで,コンサートホールで行う室内楽公演には,今後も注目したいと思います

2020/08/23

本日は富山県上市町で行わた,栁沢寿男さん指揮におるOEK富山特別公演へ。「GO TO 富山 with OEK」ツァーと勝手に名付け,5か月ぶりに県外へ。合唱団OEKとやまの出番は無くなったのは残念でしたが,ソプラノの韓錦玉さんの,癒しの気分のある歌と威厳たっぷりのモーツアルトの「ジュピター」を楽しむことができました。

本日は午後から富山県上市町まで車で出かけ,栁沢寿男さん指揮による,オーケストラ・アンサンブル金沢富山特別公演を聞いて来ました。「GO TO 富山 with OEK」ツァーと勝手に名前を付け,この夏いちばんの遠出をしてきました。考えてみると,石川県外に出るのは,3月以来なので,5か月ぶりということになります。

この公演は,当初は夏休み後半恒例の「合唱団OEKとやま」とOEKがミサ曲などを共演する内容でしたが,業界ガイドラインに従うと,合唱曲を取り上げるのは今の時点では難しいということで,合唱団なしの公演になってしまいました。合唱団の皆さんにとっては大変残念なことになりましたが,予定曲を変更して特別公演が実現したことは特筆すべきことかと思います。当初歌われるはずだった,ラターのレクイエム(この曲を取り上げるのは2回目ぐらいだと思いますが,聞きたかったです)がモーツァルトの「ジュピター」交響曲に変更になり,休憩時間なしで,約70分の公演となりました。

最初に演奏された,ディーリアスの「夜明け前の歌」は,恐らく,当初のプログラムのラターに合わせて,英国の作曲家の作品を選んだのだと思います。今回,かなり前の方の座席で聞くことができたので(1時間前に到着したので,座席選び放題でした),夜明けの景色を思わせる響きにしっかりと浸ることができました。ディーリアスらしく,全編を通じて,基本的に穏やかなムードに包まれていたのですが,どの楽器の音にもゴージャスさが感じられました。たまに間近で聞くのも良いなぁと思いました。

続いて,当初からソリストとして予定されていた,韓錦玉さんのソプラノを交えて4曲歌われました。当初予定されていた「千の風になって(同じ詞を韓国語に訳し,曲は新井満さんとは別のもの)」と「いのちの歌」の2曲に加え,フォーレのレクイエムの中の「ピエ・イエズ」,You raise me upが歌われました。フォーレのレクイエムは,ラターのレクエムを補う意味もあったのかもしれませんが,今回のコロナ禍で亡くなられた方を追悼した上で,それを乗り越えていけるようにという思いを込めた選曲だったようです。

考えてみると,4曲とも言語が別々でしたが(ラテン語,韓国語,日本語,英語),曲想自体は結構似た感じがあり,「思いは万国共通」という感じがありました。「千の風になって」の曲は,日本語版で秋川雅史さんが歌っているものと違うものですが,雰囲気自体はよく似ていました。You raise me upはフィギュアスケートの音楽として聞いたことはありますが,ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)と似た部分があることに気付きましたが,意図的な引用のようですね。

韓さんの歌には,どの曲にも優しい情感が満ちていました。今回,韓さんの目の前に透明アクリル板が設置されていたので,オーケストラと重なり合う部分では,声がかき消されるような部分もありましたが,暖かで前向きな気分になることができました。

後半は(休憩なしですが),モーツァルトの「ジュピター」が演奏されました。栁沢さん指揮OEKでは,年末の「メサイア」公演は何回か聞いたことはありますが,交響曲を指揮するのを聞くのは今回が初めてかもしれません。全体に大げさな身振りは全くなく,「ジュピター」という名曲中の名曲に備わっている「威厳」を,そのままストレートに聞かせてくれるような演奏だったと思いました。第1楽章の冒頭から,ゆるぎない響きが続き,少し堅い感じかなとも思ったのですが,第4楽章などは,最後の大団円に向けて,色々なパーツががっちりと組みあっていく感じをしっかり味わわせてくれ,改めて,この曲の素晴らしさを実感できました。

最後に文部省唱歌「ふるさと」が演奏されたのですが,これについては,「皆さんハミングで歌ってください」とのことでした。今回,合唱団として参加できなかった皆さんは,今回の公演の運営の補助をされたりしていました。最後,ハミングではありますが,「合唱」する機会を作ってくれたことはとても良かったと思いました。

来年のこの公演に向けて,「合唱団員募集」のチラシが早くも置かれていましたが,来年は何としてでも行えると良いですね。2021年8月1日,富山市のオーバードホール,曲目はボブ・チルコット作曲「レクエイム」などが予定されているようです。

2020/08/20

今晩は #田中祐子 さん指揮OEKによる「ありがとうコンサート」を石川県立音楽堂で聞いてきました。OEK十八番のフィガロとハフナー,どちらも立派さの感じられる演奏。#金田直道 さんによるファゴット協奏曲は,日常の美を感じさせてくれる透明感のある演奏が魅力的

本日は,久しぶりに「夜の石川県立音楽堂コンサートホール」に出かけ,「オーケストラ・アンサンブル金沢 ありがとうコンサート」を聞いて来ました。この公演は,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の賛助会員及びコロナ禍でキャンセルになった公演チケットの払い戻しをせず寄付に回してくれたお客さんを対象としたもので,文字通り,OEKからの「ありがとう」の気持ちを音で表現した公演でした。

この公演は,YouTubeで同時配信も行っていたのですが(どんな感じで映っていたのか見てみたいものです),「寄附文化」に加え,「ネット配信」というのは,今回のコロナ禍後も定着していくのではないかと私は思います。その意味で,アフター・コロナに向けた新スタンダードのスタートとなる公演だったと思いました。

今回の指揮は,7月26日の「再開公演」に続いて,田中祐子さんで,プログラムはすべてモーツァルトの曲でした。前回のプロコフィエフの古典交響曲もそうだったのですが,公演再開後,OEKの基本レパートリーを一つずつチェックしているような選曲が続いている感じです。コロナ禍後,ステージ上の奏者間の距離を開けるなど試行錯誤を続けていますが,その是非を演奏し慣れた曲で,確認し,調整をしているようにも思えます。

今回演奏された,「フィガロの結婚」序曲と「ハフナー」交響曲は,私自身,OEKの演奏で毎年のように聞いている気がします。OEKは演奏旅行が多い(多かったと書くべきでしょうか)ので,どちらも「旅行カバンの中に入っている曲」と言えます。

今回の演奏ですが,7月26日の公演での古典交響曲同様,田中さんはテンポを比較的遅めに取り,要所要所でティンパニやトランペットを強く聞かせていました。滑らかに流れていくというよりは,ゴツゴツとした力感を感じさせるような,非常に立派な演奏だったと思いました。ただし,OEKの引き締まった音がコンサートホールいっぱいにしっかりと響く心地よさはあったのですが,「ハフナー」の終楽章あたりについては,もっとドタバタした感じの「遊び」がある方が個人的には好みです(この辺は,井上道義さんの得意とするところですね)。

いずれにしても,OEKの基本中の基本のレパートリーを充実した音で楽しむことができ,「やっぱり,OEKのハフナーは良い」と感じました。例えば,第1楽章呈示部の最後の方で木管楽器が一斉に音階を駆け上がっていくような部分があるのですが,この部分の色彩感と生きの良さを聞いて,「OEKのモーツァルトだな」と思いました。コロナに加えて,猛暑が続く中,ホール内でのひと時ではありますが,元気が出ました。

今回の公演のもう一つの注目は,ファゴット協奏曲のソリストとして登場した,OEKに入団したばかりの金田直道さんの演奏でした。入団早々,公演休止が続き,金田さんにとってはもどかしい日々が続いていたと思いますが,それを逆手に取り,OEKの公演の常連のお客さんにしっかりとアピールする機会が出来たことはとても良かったと思います。

モーツァルトのファゴット協奏曲を実演で聞く機会はあまりないのですが,音楽自体に大げさ過ぎる部分がなく,「日常の中の美」のようなものを感じることができました。コロナ以前には見過ごしていたような美しさを日常の中に改めて発見!そんな感じの曲だと思いました。

金田さんのファゴットは,まだ新人ということで,多少遠慮があった気はしましたが(ただし,「押しの強いファゴット」というのは楽器のイメージとは違うかもしれませんね),音に透明感が感じられ,演奏全体に安心感がありました。特に第2楽章は,モーツァルトのオペラのアリアにそのまま出てきそうな雰囲気があり聞き応え十分でした。全曲を通じて,思いがけず出会った好青年に,さりげなく優しくしてもらって感激,といった感じ(個人の感想です)で聞いおりました。

以上のように,金田さんの音には気品のある透明感が感じられたので,今後,OEKメンバーとの室内楽でフランスの作曲家の作品などを聞いてみたいと思いました。

9月以降のOEKの定期公演シリーズでは,ベートーヴェンに加え,モーツァルトの曲も毎回のように取り上げられます。恐らく,色々なタイプのモーツァルトを楽しめるのではないかと思います。そのことへの期待が高まるような「ありがとう公演」でした。

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