OEKのCD

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« 2月以来久しぶりのOEKスペシャル公演は,新様式でのスタートとなる公演。石川県立音楽堂コンサートホールの中でオーケストラの生音を聴けただけで満足。 #神尾真由子 さんのチャイコフスキー,#田中祐子 さん指揮による古典交響曲等,たっぷりと聴かせてくれました。 | トップページ | 本日は富山県上市町で行わた,栁沢寿男さん指揮におるOEK富山特別公演へ。「GO TO 富山 with OEK」ツァーと勝手に名付け,5か月ぶりに県外へ。合唱団OEKとやまの出番は無くなったのは残念でしたが,ソプラノの韓錦玉さんの,癒しの気分のある歌と威厳たっぷりのモーツアルトの「ジュピター」を楽しむことができました。 »

2020/08/20

今晩は #田中祐子 さん指揮OEKによる「ありがとうコンサート」を石川県立音楽堂で聞いてきました。OEK十八番のフィガロとハフナー,どちらも立派さの感じられる演奏。#金田直道 さんによるファゴット協奏曲は,日常の美を感じさせてくれる透明感のある演奏が魅力的

本日は,久しぶりに「夜の石川県立音楽堂コンサートホール」に出かけ,「オーケストラ・アンサンブル金沢 ありがとうコンサート」を聞いて来ました。この公演は,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の賛助会員及びコロナ禍でキャンセルになった公演チケットの払い戻しをせず寄付に回してくれたお客さんを対象としたもので,文字通り,OEKからの「ありがとう」の気持ちを音で表現した公演でした。

この公演は,YouTubeで同時配信も行っていたのですが(どんな感じで映っていたのか見てみたいものです),「寄附文化」に加え,「ネット配信」というのは,今回のコロナ禍後も定着していくのではないかと私は思います。その意味で,アフター・コロナに向けた新スタンダードのスタートとなる公演だったと思いました。

今回の指揮は,7月26日の「再開公演」に続いて,田中祐子さんで,プログラムはすべてモーツァルトの曲でした。前回のプロコフィエフの古典交響曲もそうだったのですが,公演再開後,OEKの基本レパートリーを一つずつチェックしているような選曲が続いている感じです。コロナ禍後,ステージ上の奏者間の距離を開けるなど試行錯誤を続けていますが,その是非を演奏し慣れた曲で,確認し,調整をしているようにも思えます。

今回演奏された,「フィガロの結婚」序曲と「ハフナー」交響曲は,私自身,OEKの演奏で毎年のように聞いている気がします。OEKは演奏旅行が多い(多かったと書くべきでしょうか)ので,どちらも「旅行カバンの中に入っている曲」と言えます。

今回の演奏ですが,7月26日の公演での古典交響曲同様,田中さんはテンポを比較的遅めに取り,要所要所でティンパニやトランペットを強く聞かせていました。滑らかに流れていくというよりは,ゴツゴツとした力感を感じさせるような,非常に立派な演奏だったと思いました。ただし,OEKの引き締まった音がコンサートホールいっぱいにしっかりと響く心地よさはあったのですが,「ハフナー」の終楽章あたりについては,もっとドタバタした感じの「遊び」がある方が個人的には好みです(この辺は,井上道義さんの得意とするところですね)。

いずれにしても,OEKの基本中の基本のレパートリーを充実した音で楽しむことができ,「やっぱり,OEKのハフナーは良い」と感じました。例えば,第1楽章呈示部の最後の方で木管楽器が一斉に音階を駆け上がっていくような部分があるのですが,この部分の色彩感と生きの良さを聞いて,「OEKのモーツァルトだな」と思いました。コロナに加えて,猛暑が続く中,ホール内でのひと時ではありますが,元気が出ました。

今回の公演のもう一つの注目は,ファゴット協奏曲のソリストとして登場した,OEKに入団したばかりの金田直道さんの演奏でした。入団早々,公演休止が続き,金田さんにとってはもどかしい日々が続いていたと思いますが,それを逆手に取り,OEKの公演の常連のお客さんにしっかりとアピールする機会が出来たことはとても良かったと思います。

モーツァルトのファゴット協奏曲を実演で聞く機会はあまりないのですが,音楽自体に大げさ過ぎる部分がなく,「日常の中の美」のようなものを感じることができました。コロナ以前には見過ごしていたような美しさを日常の中に改めて発見!そんな感じの曲だと思いました。

金田さんのファゴットは,まだ新人ということで,多少遠慮があった気はしましたが(ただし,「押しの強いファゴット」というのは楽器のイメージとは違うかもしれませんね),音に透明感が感じられ,演奏全体に安心感がありました。特に第2楽章は,モーツァルトのオペラのアリアにそのまま出てきそうな雰囲気があり聞き応え十分でした。全曲を通じて,思いがけず出会った好青年に,さりげなく優しくしてもらって感激,といった感じ(個人の感想です)で聞いおりました。

以上のように,金田さんの音には気品のある透明感が感じられたので,今後,OEKメンバーとの室内楽でフランスの作曲家の作品などを聞いてみたいと思いました。

9月以降のOEKの定期公演シリーズでは,ベートーヴェンに加え,モーツァルトの曲も毎回のように取り上げられます。恐らく,色々なタイプのモーツァルトを楽しめるのではないかと思います。そのことへの期待が高まるような「ありがとう公演」でした。

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