OEKのCD

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2020/09/18

新様式によるOEK新シーズンスタート。三ツ橋敬子さん指揮,北村朋幹さんのピアノによる高貴な光に包まれたような「Eフラット・ナイト」。ピアノの音もOEKの音も美しかったですね。特別な1年の開幕に相応しい希望に満ちた演奏会でした。

コロナ禍が続く中,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の2020/21の定期公演シリーズが新様式でスタートしました。指揮者は,当初ユベール・スダーンさんの予定でしたが,三ツ橋さんに交替になり,プログラムは当初のプログラムから,エグモント序曲を除いた,ベートーヴェンの「皇帝」とモーツァルトの交響曲第39番の2曲となりました。

変ホ長調の曲が2つのプログラム並ぶ,「Eフラット・ナイト」。三ツ橋さん指揮OEKの音色はいつもにも増して透明感があり,どこか,高貴な明るさに包まれたような70分でした。特別な1年の開幕に相応しい,希望に満ちた演奏会でした。

「皇帝」のソリスト,北村朋幹さんがOEKと共演するのは2回目ですが,前回は代理での登場でしたので,実質的には今回がOEK定期公演初登場と言えるかもしれません。そのピアノは,「センス抜群」でした。冒頭の華やかなカデンツァ風の部分から,大げさな雰囲気は全くないのに,北村さんの意図がしっかりと伝わってくるような演奏でした。どの部分にも北村さんのこだわりがあり,音に込められたメッセージが伝わってくるようでした。「ベートーヴェンはロマン派だな」と思わせる部分が随所にありました。

その一方で,三ツ橋さん指揮OEKともども,演奏全体の流れは大変スムーズでした。この日のOEKは,バロックティンパニを使っていたのですが,そのカラッとした音が随所で効果を出しており,全体の印象がとても新鮮でした。

第2楽章も速目のテンポでしたが,すべての音に透明感があるので,ちょっとしたニュアンスの変化がとても魅力的に響いていました。最終楽章もノリに乗った演奏。曲の最後,ティンパニとピアノだけになる部分では,その後の大きな間が印象的。若々しい雰囲気の中で全曲が締められました。

その後,北村さんのピアノ独奏によるアンコールがありました。この日はアンコールの曲名の紹介の案内がなかったので曲名は不明でしたが,明らかに「現代音楽」。ドビュッシーや武満徹のピアノ曲に通じるような詩的な雰囲気が漂い,「皇帝」の演奏の中で感じられた,泥臭くならないセンスの良さに通じるものを感じました。その共感にあふれた演奏を聞きながら,「いいなぁ」と思いました。

後半はモーツァルトの交響曲第39番。個人的にモーツァルトの作品の中でも特に好きな作品です。第1楽章の冒頭は,往年のモーツァルトで有名な指揮者,ブルーノ・ワルターやカール・ベームの時代には,重々しく演奏されていましたが,近年はその倍ぐらいのテンポで演奏されることが増えています。本日の演奏も,速めのテンポ。新シーズンの開幕を祝うような祝典的な気分で始まりました。ここでもカラッとしたティンパニの音が生きていました。主部も端正な透明感と勢いのある音楽。この曲の魅力である,木管楽器が彩りを加え,俗世間から離れたような,高貴さのある世界が広がっていると思いました。第2楽章も速めのテンポでしたが,しっとりとした味もあり,落ち着きを感じました。

第3楽章のメヌエットは,三ツ橋さんの指揮の動作のとおりの,「円運動」を感じさせる生きた演奏。お楽しみのトリオの部分での遠藤さんのクラリネットもニュアンス豊かでした。最終楽章は慌てすぎることなく,明快に締めてくれました。

ちなみに今回,各楽章とも呈示部の繰り返しを行っていませんでした。近年では珍しいと思いますが,これも「休憩なしで行う新様式」の影響でしょうか。大好きな曲ということで,「音楽が終わって欲しくないなぁ」という気分を特に感じました。

というわけで,コロナ禍を忘れさせてくれるような,新シーズン開幕に相応しい明るさのある公演でした。

PS.この日は「皇帝」。そして,9月22日は同じホールで,藤田真央さんの独奏によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。今年の秋の連休は,若手ピアニストによるベートーヴェンの競演を楽しみたいと思います。

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