#石川県立音楽堂 #夜のクラシック 第5回のゲストは #鈴木優人さん。本日はチェンバロ奏者としてバッハと武満徹の作品などを演奏。チェンバロの音を聞くと「耳の洗濯」といった感じになりますね。#加羽沢美濃 さん即興のピアノ曲「鈴木さんち」も見事な作品でした。
今晩は石川県立音楽堂コンサートホールで行われた,「アフターセブンコンサート2020 夜のクラシック」第5回を聞いてきました。ゲストは鈴木優人さん,司会は加羽沢美濃さんでした。鈴木さんといえば,チェンバロ奏者,オルガン奏者,指揮者,音楽祭のプロデューサーなど多彩な仕事をされていますが,本日はチェンバロ奏者として登場しました。金沢でチェンバロ独奏の演奏会が行われる機会は少ないので,純粋に「週末の疲れた心身にチェンバロを!」という気分で聞きに行ってきました。
さすがにコンサートホールでチェンバロ1台というのは,広すぎた印象で,私の席(かなり前でしたがサイドの席)からだと,ちょっと音が遠く感じられました。それでも,繊細な音の変化や音の歯切れよさはしっかりと感じとることができ,しばらくの間,非日常的な音世界に入ることができました。耳の洗濯という感でした。
演奏された曲はバッハのチェンバロ作品が中心でした。中でもパルティータ第1番の全曲が演奏されたのが嬉しかったですね。この曲は,ディヌ・リパッティのピアノによる大昔の演奏で馴染んでいたのですが,チェンバロで聞くと音の透明感が大変心地よく感じられました。鈴木さんの演奏は,どちらかというと速目のテンポで,柔軟性のある生き生きとした演奏を聴かせてくれました。特に大きな間を取った後始まった,サラバンドの新鮮な空気感が良いなぁと思いました。
最後に武満徹作曲の唯一のチェンバロ曲,「夢見る雨」が演奏されました。現代曲らしく,不協和音も沢山出てくるのですが,その不協和音が刺激的にならず,不思議な色合いとなって感じられました,武満徹の隠れた名作なのでは,と思いました。
最後,アンコールで加羽沢さんのピアノと鈴木さんのチェンバロの二重奏で,バッハの「主よ人の望みの喜びよ」が演奏されました。最初のトークの中で,「ピアノとチェンバロではピッチが違います。チェンバロの方が半音低くなっています」というような話をされていたので,二重奏できるのだろうか?と思ったのですが,その微妙にずれている感じが不思議な立体感を作っていたり,チェンバロの音が装飾的にキラキラ輝く感じに聞こえたり,体験したことのないような味わい深い世界を作っていました。
加羽沢さんと鈴木さんのトークも楽しかったですね。特に印象的だったのは,鈴木さんの自宅には,「チェンバロ3台,ピアノ2台,クラヴィコード3台に加え小型のパイプオルガンもある...」といった凄い話です。これにちなんで,加羽沢さんが「鈴木さんち」というタイトルで即興演奏を披露。繊細な音から大らかな音まで多彩な音が詰まった,美しい作品でした。
来年1月,鈴木さんは今度は指揮者兼オルガン奏者としてOEK定期公演に登場します。この公演のPRもされていましたが,ますます楽しみになりました。
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