OEKのCD

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2020/10/25

仙台フィルのヴァイオリン奏者,小川有紀子さんを中心としたハナミズキ室内合奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番を中心とした演奏会@石川県立音楽堂邦楽ホール。お客さんの数がものすごく少なかったのが残念でしたが,ベートーヴェン最晩年の澄み切った境地に浸ることができ,大変贅沢な時間を過ごすことができました。

本日午後は,仙台フィルのヴァイオリン奏者,小川有紀子さんを中心としたハナミズキ室内合奏団による,弦楽四重奏曲を中心とした演奏会を,石川県立音楽堂邦楽ホールで聞いてきました。残念ながら,お客さんの入りは非常に悪く,私が過去経験した中でもこれだけお客さん間の「ディスタンス」が長かったことのは初めてのことです。コロナ禍の影響で十分な広報を行うことが難しかったのだと思います。

しかし,演奏の方は素晴らしく,逆説的に言うと,大変贅沢な気分を味わうことができました。私たちのためだけに演奏してくれている,という感じが強く伝わってきました。

プログラムは前半が,あいさつ代わりのグリーグの抒情小曲集。その後,小川さんのトークを交えて曲が演奏されました。ベートーヴェンの若い時代に掛かれたヴィオラとチェロによる二重奏,ピアソラのヴァイオリン二重奏の作品と続き,最後はピアソラの"Four, for Tango"で締められました。私自身,石川県立音楽堂邦楽ホールに入るのは久しぶりのことだったのですが,各楽器の音がくっきりと聞こえ,音の残響も適度にあり,とても良い音のバランスで楽しむことができました。

ヴァイオリン奏者として,先日のOEK定期でコンサートマスターを務められていた水谷晃さんも参加していたのですが,その時のクライスラー同様,暖かみのある充実感のある音を聞かせてくれました。ベートーヴェンの二重奏では,ヴィオラの村田恵子さんの豊かな音が特に印象的でした。この若い2人を,小川さんとチェロの山本裕康さんがしっかり支えるような前半でした。

前半最後に演奏されたピアソラの曲は初めて聞く曲でしたが,「もしもバルトークの弦楽四重奏曲をピアソラがアレンジしたら」という感じの曲。おなじみの技がしっかり出てきて,スリリングかつ楽しい演奏でした。

後半はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番の全曲が演奏されました。金沢で,ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲が演奏される機会はめったにないので,今回はこの作品を目当てに聞きに行きました。この演奏は,是非,もっと多くの方に聞いていただきたかったですね。「大フーガ」として知られる15分ぐらいの曲を最終楽章(第6楽章)として入れるかどうかが演奏者に任されているようなところのある作品ですが,今回は通常の第6楽章が演奏されました。

全曲を通じて,小川さんのヴァイオリンを中心にベートーヴェンの最晩年の澄み切った境地がすっきりと出ているような演奏でした。第1楽章の最初のユニゾンの音から美しいなぁと思いました。途中の舞曲風の楽章のリラックスしたしなやかさの後の有名な第5楽章のカヴァティーナは,内省的な気分を保ちながら,聴衆の方にしっかりとメッセージが伝わってくるようでした。最終楽章はベートーヴェンの「最後に作った曲」と言われているものです。非常に晴れやかな気分があり,コロナ禍がダラダラと続く,今聞くと「先が見えてきたな」という「希望」を感じさせてくれました。

というわけで,観客が少なかったことも含め,忘れられない演奏会となりました。いつかコロナ禍が明けた後,またベートーヴェンの別の弦楽四重奏曲を同じ場所で聞いてみたいなと思いました。演奏者の皆様ありがとうございました。

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