2年ぶりに行われた,鈴木織衛さんの指揮による石川県ジュニアオーケストラ第27回定期演奏会。黒瀬恵さんのオルガンを交え,幻想序曲「ロメオとジュリエット」「威風堂々」などをしっかりと楽しませてくれました。
本日の午後は,石川県立音楽堂コンサートホールで行われた,石川県ジュニアオーケストラの第27回定期演奏会を聞いてきました。指揮はお馴染みの鈴木織衛さんでした。この定期演奏会は毎年この時期に行われているのですが,1年前はちょうどコロナ禍の影響が出始めたばかりで,中止。2年ぶり,待望の演奏会となりました。
メインで演奏されたのは,チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」。1年前に演奏予定だった作品をようやく演奏することができ,感慨もひとしおだったのでないかと思います。各楽器のソロが続く,緊迫感あふれる序奏の後,オーケストラのメンバーが一丸となって,ドラマティックな気分と甘い雰囲気を持った音楽を丁寧に演奏していました。特に曲の最後の部分での「死の気配」が漂うような静けさ,ティンパニの一撃の後,すべてが昇華されたように音が一つにまとまる感じがとても良いなぁと思いました。
今回は鈴木さんのトークを交えての進行で(いつもにも増してとても滑らかなトークでした),各曲のイメージをさらに広げることができました。最初に演奏されたスラヴ舞曲第1番の最初の音がハ長調の和音であること(確かに晴れ渡った空のような気分),エルガーは,当初はアマチュアの作曲家だったのが,「愛のあいさつ」が大ヒットし,「威風堂々」で国王にも認められるようになり,どんどん出世したこと,など「へぇそうだったのか」という話が続きました。
2曲目のディズニーメドレーでも明るく開放的な響きを楽しむことができました。途中,「ジッパ・ディ・ドゥー・ダー」から「スーパー・カリフラジリスティック...」に続くあたりのノリの良さが良いなぁと思いました。鈴木さんが語っていたとおり,すでにクラシック音楽といった感じの曲であり,演奏でした。
この日はゲストとして,オルガンの奏者の黒瀬恵さんも登場しました。黒瀬さんによるオルガンの音についての解説の後,色々な音を次々聞かせてくれるような,J.C.F.バッハによる「きらきら星変奏曲」が演奏されました。初めて聞く曲でしたが,お馴染みのモーツァルトの変奏曲に比べると,とっても真面目な感じで,作曲家のキャラクターがよく出ているなぁと思いました。
「威風堂々」第1番では,最後の部分でパイプオルガンの重低音も加わり,壮大な気分で締めてくれました。オーケストラのメンバーにとっても,お客さんにとっても印象に残る演奏になったのでは,と思いました。
というわけで,2年ぶりのジュニアオーケストラの演奏会。ゆったりと楽しませてもらいました。来年はどういう曲を聞かせてくれるのか楽しみにしています。
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