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2021/03/21

藤田真央 モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会の第1回を北國新聞赤羽ホールで聴いてきました。藤田さんのタッチの美しさ,音楽の設計の見事さ。ハ長調尽くしのプログラムからニュアンスの変化に富んだ音楽があふれていました。

本日の午後は,北國新聞赤羽ホールで行われた,「藤田真央 モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会」の第1回を聞いてきました。コロナ禍中,テレビのクラシック音楽番組に最も頻繁に出演されているピアニストの一人が,藤田さんだと思います。「題名のない音楽会」でも藤田さんがモーツァルトのピアノ・ソナタを演奏する回を観たことがありますが,全曲演奏シリーズをスタートするということで,「これは行くしかない」と思い出かけてきました。

その第1回は,「清らかな始まり」と題して,ハ長調の作品ばかりを集めたプログラムとなっていました。第7番K.309,第16番K.545(この曲は,以前は第15番でしたね),第1番K.279,第10番K.330に,キラキラ星変奏曲とウィーン・ソナチネ第1番を加えた内容。こういうプログラミンができるのもモーツァルトならではだと思います。

ソナタの方は,K.279からK.545までと,色々な時代の作品が取り上げられていましたが,共通していたのが,藤田さんのピアノのタッチの美しさと各曲ごとの設計の見事さ。そして,自然な色合いの変化でした。昨年,石川県立音楽堂でベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を聞いた時にも感じたのですが,藤田さんのピアノのタッチには乱暴なところが全くなく,どの曲にもホールの空気と溶け合うような自然な美しさがありました。大げさに気負った感じがなく,脱力した感じで始まった後,曲のクライマックスでくっきりとした強い音を聞かせたり,鮮やかな技巧を見せたり,全体の設計図がしっかりできた上で,自在に音楽が流れていくような安心感を感じました。

同じようなフレーズや対になるようなフレーズが,バランスよく出てくるのがモーツァルトの音楽の特徴だと思いますが,その繰り返しの度に微妙にニュアンスの変化が付けられていました。その変化がわざとらしくなく,自然かつ鮮やかでした。キラキラ星変奏曲など,そういう特徴がとてもよく出ていたと思いました。

お馴染みのK.545のソナタなどでは,プレーンで真っ白な感じで始まった後,途中転調する部分で,ふっと色が変わったような感じになったり,ちょっと冒険に出かけてたという感じになったり,聴く方のイマジネーションを膨らませてくれました。

最後に演奏されたK.330のソナタでは,珠を転がすようなデリケートさのあった第1楽章をはじめ,古典的な美しさを存分に楽しませてくれました。

最後にアンコールで,ソナタ第5番(この曲だけト長調)の全曲を演奏するサービスがありましたが,これは次回の予告編でしょうか?藤田さんのキャラクターにぴったりのモーツァルトシリーズ,第2回は10月2日の予定。可能な限り聞きに行きたいと思います。

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コメント

はじめまして。別サイトでの詳細なレビュー拝読させて頂きました。深く頷く点ばかりだったのですが少し気になる事が。小さく鼻歌が聞こえたとありましたが、もしかしたら藤田さんご自身の歌声ではないでしょうか?小さく歌ったり、時には唸ったりしながら弾くのが藤田さんの最近のスタイルです。少しわかり難いですが演奏動画でも確認できますので良かったらお聴きになってみてください。

https://m.youtube.com/watch?v=UbMYwcbp830

もしどなたかが歌っていたのなら困りものですが...藤田さんのであれば次回お気にされる事なく聴いて頂けるかと思いまして。
検討違いでしたらどうかご容赦ください。次回も楽しみですね。

ご連絡ありがとうございます。実は協奏曲以外の独奏で藤田さんの演奏を聴くのが今回初めてだったので,お知らせいただいた動画を見て確認してみたいと思います。その他のお客さんの中にも少し気にしているような人もいたので微妙なところです。いずれにしても,第2回の演奏会が楽しみですね。

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