OEKのCD

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2021/04/09

今晩は渡邉康雄さんのピアノ・指揮OEK+地元のピアニストたちによる ガル祭 2021 プレコンサートを聞いてきました。渡邉さんの貫禄のサン=サーンスは聴きごたえ十分でした。#oekjp

今晩は,いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2021のプレコンサートとして行われた,渡邉康雄さんのピアノ・指揮+地元のピアニストたちによる,スペイン,フランスの作曲家による演奏会を聞いてきました。

前半,山岸奈央さんによるグラナドス/演奏会用アレグロ,松永みなみさんによるラヴェル/水の戯れ,北林多香子と本多春奈さんの連弾によるサン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」~バッカナールが演奏されました。この日は,「とてもよい席」で聴けたこともあり,ラテン系の音楽ならではの華やかさと,しっとりとした音の流れを楽しむことができました。特に,松永さんの演奏した,「水の戯れ」には,くっきりとした明るい音と異国情緒があふれている感じで,やっぱりラヴェルの音楽は良いなぁと思わせてくれました。

休憩の後は,以前からOEKと頻繁に共演し,CD録音も行っている渡邉康雄さんが登場し,渡邉さんの弾き振りでサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」が演奏されました。ロマン派以降のピアノ協奏曲の弾き振りは,比較的珍しいのですが,ベテラン・ピアニストらしい貫禄に溢れた,どっしりとした音楽を聞かせてくれました。第3楽章の最後,ピアノが音階を上がっていく部分などでは,千両役者がどうだと見得を切るような充実感がありました。サン=サーンスといえば,どちらかというと軽い印象のある作曲家なのですが,ピアノの音が突出しすぎることなく,地に足の着いたような音楽を聞かせてくれました。OEKの方も,弦楽パートの豊かな音の上に木管楽器群が随所で彩りを加えており,南欧よりもさらに南の「地中海~アフリカ」に掛けてのエキゾティックな気分を思わせるような演奏を聞かせてくれました。

アンコールでは,南欧から離れて,ストラヴィンスキーのペトルーシュカの中の「ロシアの踊り」をがっちりと聞かせてくれました。ちょっと不器用な感じのリズムがとても魅力的な演奏でした。この日の公演は,プログラム的にも演奏的にも,楽都音楽祭の気分を盛り上げるための「プレコンサート」にふさわしい内容でした。ここ数日,石川県でもコロナ感染者が徐々に拡大しているのが少々気がかりですが,無事に開催できることを祈っています。

 

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