OEKのCD

2021年9月
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2021/04/23

アビゲイル・ヤングさんのリードによるOEK定期。藤田真央さんとの共演によるモーツァルトの20番は音の美しさが際立った室内楽的な演奏。藤田さんのカデンツァも魅力的でした。後半はモーツァルトのセレナード第4番。知られざる名曲を発見した喜びがありました。ヤング&OEKの恐るべき底力を実感させてくれる素晴らしい公演でした。#oekjp

今晩はアビゲイル・ヤングさんのリード,藤田真央さんのピアノによる,OEK定期公演フィルハーモニー・シリーズを聴いてきました。当初はOEKの首席客演指揮者,ユベール・スダーンさんが登場予定でしたが,コロナ禍のため来日できず,指揮者なし(ヤングさんのリード)となったものです。プログラムには変更はなく,モーツァルトのピアノ協奏曲第20番とセレナード第4番「コロレド卿」が演奏されました。

スダーンさんの指揮から,ヤングさんの弾き振りに切り替わった時点で,「ヤング&OEKは,「指揮者あり」の時とは一味違う演奏聞かせてくれるはず」という確信はあったのですが,その期待を遥かに上回る素晴らしい演奏を聞かせてくれました。過去,OEKはモーツァルトの作品を何回も演奏してきましたが,その歴史にしっかりと痕跡が残るような公演だったと思いました。

前半は藤田さんとの共演で,モーツァルトのピアノ協奏曲第20番が演奏されました。ヤングさんの弾き振りの時は,「全員起立」で演奏することがあるのですが,まさか協奏曲の時もこのスタイルだとは思いませんでした。特に弦楽器の場合,腕を大きく動かすので,立つか座るかでかなり音が違うのではないかと思います。ヤング&OEKは,力強い音からしなやかな音まで,音のニュアンスの変化が明確な演奏を聞かせてくれました。オーケストラだけによる序奏部から,彫りの深い,陰影の濃さを感じさせる素晴らしい演奏を聞かせてくれました。

藤田さんのピアノには,OEKの強力な音に挑むというよりは,一緒になって音楽を作っていこうという連帯感のようなものを感じました。最初の一音をはじめ,シンプルな音になるほど音の美しさが際立ち,OEKと競い合うというより,音で会話をしているような,室内楽的な緻密さを感じました。その一方,藤田さん自身による各楽章のカデンツァは非常に技巧的であったり,キラキラしたちょっとロマンティックな気分があったり,しっかり藤田さんが主役になっていました。このバランスが素晴らしいと思いました。

それにしても藤田さんのタッチのさりげなさ,柔らかさと音の純度の高さは素晴らしいと思いました。第2楽章の最初の部分などシンプルなピアノの音を聴くだけで,どこか別世界に連れていかれたような感覚を持ちました。藤田さんとOEKのモーツァルト。個人的にはピアノ協奏曲第23番などもぴったりなのではと思います。続編を期待しています。

後半に演奏されたセレナード第4番はK.203 ,モーツァルト18歳の時の作品で,これまで実演はおろか,CDでも聞いたことのない作品でしたが,まず,その曲の素晴らしさに感嘆しました。全8楽章からなる大曲で,2~4楽章はヴァイオリン協奏曲的な部分があります。編成はかなり大きく,交響曲的な編成。メヌエットが3つ入るなど,独特の構成の曲でした。といった作品ですが...どの楽章にもモーツアルトの才能があふれるように詰め込まれており,8つの楽章を全く退屈することなく楽しむことができました。モーツァルトの主要なオーケストラ作品はほとんど聞いていたつもりでしたが,こういう素晴らしい曲が「まだあった!」ことに感激をしています。

そしてこの演奏でも,「全員起立」のヤング&OEKの演奏が見事でした。前半と同じことが言えるのですが,この曲では特に音の迫力,切れ味の良さが素晴らしいと思いました。交響曲的な雰囲気にヤングさんのパリっと引き締まったヴァイオリンの独奏による協奏曲が合わさったような贅沢さ。さらには,メヌエット楽章のトリオでの加納さんのオーボエ,松木さんのフルートの瑞々しさ。弦楽パートの首席奏者たちによる室内楽的気分...色々なタイプの音楽が8つの楽章の中にぎっしり詰め込まれたような豪華さがありました。

OEKの皆さんは前半も後半も「立ちっぱなし」で大変だったと思いますが,体の動きがそのまま音の動きになったような自然さが素晴らしいと思いました。その音の動きはお客さんまで伝わっていた感じで,終演後は盛大な拍手。モーツァルトのセレナード第4番は,大半のお客さんは聞いたことはなかったはずですが,その知られざる名曲で熱く盛り上がれたことが嬉しかったですね。

今回の演奏を聴きながら,OEKを指揮する指揮者には大きなプレッシャーがかかるだろうなぁと感じました。それだけすべての面で充実した演奏でした。スダーンさんには,セレナード第4番を選曲してくれたことに感謝したいと思います。そして,いつかどういう解釈で聞かせてくれるのか,スダーンさんの指揮でも聞いてみたいと思いました。

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