OEKのCD

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2021年6月

2021/06/26

第33回県教弘クラシックコンサートは #角田鋼亮 さん指揮OEKと殺陣の共演。コロナ禍の中,全く後腐れなくチャンバラの世界を楽しんでしまいました。改めて「利家とまつ」の音楽はOEKの財産だなと実感

本日はこの時期恒例の日本教育公務員弘済会石川支部主催の「県教弘クラシックコンサート」を聞いてきました。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)設立時から続いている演奏会ですが,昨年度はコロナ禍の影響で中止。今年も5月に石川緊急事態宣言が発出された時にはどうなるかと思ったのですが,本日無事行われました。

内容は昨年度予定した内容を1年延期したもので,「OEK×The殺陣」という副題が付いていました。過去,OEKはファンタジックオーケストラコンサートとして,同様の公演を既に行っていますが,私自身は初体験。興味津々という感じで,整理券を申し込み,聴いてきました。

まずプログラムを見て「おっ」と思ったのが,ベートーヴェンの交響曲第7番が前半になっていたことです。OEKが演奏する交響曲を聞くのは3月以来で,「久しぶりに交響曲を生で聞きたい」という思いもこの公演を選んだ理由でした。が。殺陣との共演の方は,いわばオーケストラとダンサーが共演するバレエ公演のようなものですので,その点では,やはり後半が殺陣になる方が相応しいと思いました。そして,実際そのとおりでした。

後半はまず,大昔のテレビ時代劇「大江戸捜査網」の音楽で開始。この曲は,時代劇の音楽の中でも「いちばん格好良い曲」と以前から思っていたのですが,それをいきなり聞けてテンションが上がりました。そして,お馴染み「暴れん坊将軍」のテーマ。ここで,赤,黄,緑,水色の着物を着た殺陣師たちが乱入してきて,色々なパターンの絡みを披露。

時代劇の中のように,切られたらそのまま横になっているのではなく,あくまでも「舞い」ということで,動きは止まっても,倒れることはなく,そのまま音楽に乗って次の動作に続いていったり,見得を切ったり...という感じで進んでいきました。緊張感と素速い動きとの流れの良さは見ていて不思議と飽きませんでした。

その後は,NHK大河ドラマ「利家とまつ」の音楽が組曲のように続きました。こうやってきくと,渡辺俊幸さんの音楽は非常に分かりやすく,「大河ドラマ」の王道を行く音楽だなぁと改めて思いました。「利家とまつ」が放送されて20年近くになりますが,今でも古びることなく,演奏されている点で,OEKにとって大きな財産となっている曲だと思いました。

途中,殺陣師の皆さんによる,「刀の入ったことわざ」実演コーナーがありました。このコーナーも楽しかったですね。トークになると,急に皆さん明るい雰囲気になり,着物の色合い的にも「笑点」の世界に近いムードでした。「切羽詰まる」「シノギを削る」「ソリが合わない」「元の鞘に収まる」など,実演付きで見ると,「なるほど」と思いました。

最後は,「利家のまつ」のメインテーマ「颯流」でした。金沢ではすっかりお馴染みの曲ですが,この日の公演の締めにぴったりの音楽でした。前半ゆったりとした音楽が続いた後,テンポアップした後半で4人の殺陣師がわさわさと登場。ここもぴったりでしたが,最後の最後,シンバルが入る部分で突き刺され,最後の「ババーン」と音が伸ばされた部分で全員が見得を切る...納得のエンディングという感じでした。

前半に演奏された,ベートーヴェンの交響曲第7番はOEK十八番の曲。角田鋼亮さんの指揮の下,古典的な交響曲としてのまとまりの良さ,要所要所での切れ味の良さを感じさせてくれる演奏を聞かせてくれました。熱狂的になりすぎなかったのは,やはり前半での演奏だったからかなと思いました。

というわけで,「殺陣とオーケストラのコラボ」を初めて見ましたが,リアルな部分とダンス的な部分とのバランスがとても良く,後腐れのない,爽快感すらある,チャンバラの世界にはまってしまいました。

アンコール(西部劇の音楽でしたね)の後,指揮者の角田さんが4人の殺陣師に取り囲まれるという小芝居。指揮棒を振ると,4人は見事退散というのも楽しかったですね。というわけで,会場の老若男女(結構,お子さんも多かった印象です)のお客さんはしっかりと楽しんでいました(客席はそういう雰囲気)。コロナ禍の中,こういう時間も必要だなぁと改めて思いました。

2021/06/13

本日午後は久しぶりに石川県立音楽堂に出かけ,岡本潤コントラバスリサイタルを聞いてきました。ラフマニノフのチェロ・ソナタのコントラバス版など聞きごたえ十分の内容。何よりもコントラバスの響きに癒されました。

本日の午後は,久しぶりに石川県立音楽堂コンサートホールに出かけ,金沢出身のコントラバス奏者で,NHK交響楽団次席コントラバス奏者の岡本潤さんのコントラバスリサイタルを聞いてきました。私自身,演奏会に出かけるのは,5月5日のガル祭の最終日以来のことです。

石川緊急事態宣言は,本日で解除されますが,まだまだ十分が警戒が必要な状況ということで,本日使っていたのは1階席のみ。座席は1つおきの「千鳥格子」状という,ゆったりとした感じでした。それでもお客さんはしっかりと入っていました。

演奏された曲は,岡本さんのトークに出てきたとおり,「石川県のお客さんに少しでもゆったりとした気分になって欲しい」という思いがこもった曲が中心でした。

最初に演奏された,マラン・マレの「人の声」は,もともとヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれた曲をコントラバス(この曲だけピアノ伴奏なしでした)で演奏したもので,予想以上に優しい響きを聞いて「ぴったりかも」と思いました。

ラフの「カヴァティーナ」,グラズノフの「吟遊詩人の詩」,ブルッフの「コル・ニドライ」も,それぞれ,ヴァイオリンやチェロで聞くことの多い曲ですが,どの曲も心地良かったですね。コントラバスの深い音がホールにしっかりと響いていました。

ピアソラの「タンティ・アンニ・プリマ(アヴェ・マリア)」は,ピアソラにこんなに素直な感じの曲があったのか,という感じの美しい曲でした。

前半最後の,デザンクロの「アリアとロンド」は,ゆったりとした部分と急速な部分のコントラストが楽しめる曲で,特に後半部分,ジャズのベースを思わせるような弓なしで演奏する部分のノリの良さが楽しいと思いました。

後半はラフマニノフの曲ばかり。そのイントロのような感じで,交響曲第2番の第3楽章の名旋律の一部が演奏された後,チェロ・ソナタがコントラバス用に編曲した版(調性を少し下げて演奏)で演奏されました。この日,いちばんの大曲で全体で40分近く掛かっていたと思います。

この曲については,2月にルドヴィート・カンタさんのチェロで聞いたばかりの曲でしたが,コントラバスで聞くと,曲がさらに巨大になったように感じました。岡本さんのコントラバスの音は,とても緻密で充実感があり,曲全体として引き締まった感じがしました。その上で,ラフマニノフならではの情感のゆらぎやチェロにはない重低音がグッと出てくる場面があったりして,表現が非常に多彩でした。

そして,中山瞳さんのピアノも美しかったですね。随所にラフマニノフらしい部分が出てくるのですが,響きに透明感があり,ちょっと苦み走った感じのコントラバスをなぐさめるような女神的な雰囲気があると感じました。

岡本さんは,「ラフマニノフは,うつ状態を乗り越えた後にこの曲を書いた。現在のコロナ禍の状況と重なるかも」と語っていましたが,まさにそういう,ストーリーを感じさせてくれました。チェロとは一味違った魅力を感じさせてくれる,素晴らしい演奏だったと思います。

最後にお馴染みのヴォカリーズが演奏された後,アンコールとして,ボッテジーニのエレジーという曲が演奏されました。大曲を演奏し終えた後の澄み切った境地という感じがあると思いました。

というわけで,まだまだコロナ禍は続きます。音楽を聞いて,時々気分転換をしながら,一日一日,地道に生きていくしかないかなと思いにさせてくれる演奏会でした。

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