OEKのCD

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2021/06/13

本日午後は久しぶりに石川県立音楽堂に出かけ,岡本潤コントラバスリサイタルを聞いてきました。ラフマニノフのチェロ・ソナタのコントラバス版など聞きごたえ十分の内容。何よりもコントラバスの響きに癒されました。

本日の午後は,久しぶりに石川県立音楽堂コンサートホールに出かけ,金沢出身のコントラバス奏者で,NHK交響楽団次席コントラバス奏者の岡本潤さんのコントラバスリサイタルを聞いてきました。私自身,演奏会に出かけるのは,5月5日のガル祭の最終日以来のことです。

石川緊急事態宣言は,本日で解除されますが,まだまだ十分が警戒が必要な状況ということで,本日使っていたのは1階席のみ。座席は1つおきの「千鳥格子」状という,ゆったりとした感じでした。それでもお客さんはしっかりと入っていました。

演奏された曲は,岡本さんのトークに出てきたとおり,「石川県のお客さんに少しでもゆったりとした気分になって欲しい」という思いがこもった曲が中心でした。

最初に演奏された,マラン・マレの「人の声」は,もともとヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれた曲をコントラバス(この曲だけピアノ伴奏なしでした)で演奏したもので,予想以上に優しい響きを聞いて「ぴったりかも」と思いました。

ラフの「カヴァティーナ」,グラズノフの「吟遊詩人の詩」,ブルッフの「コル・ニドライ」も,それぞれ,ヴァイオリンやチェロで聞くことの多い曲ですが,どの曲も心地良かったですね。コントラバスの深い音がホールにしっかりと響いていました。

ピアソラの「タンティ・アンニ・プリマ(アヴェ・マリア)」は,ピアソラにこんなに素直な感じの曲があったのか,という感じの美しい曲でした。

前半最後の,デザンクロの「アリアとロンド」は,ゆったりとした部分と急速な部分のコントラストが楽しめる曲で,特に後半部分,ジャズのベースを思わせるような弓なしで演奏する部分のノリの良さが楽しいと思いました。

後半はラフマニノフの曲ばかり。そのイントロのような感じで,交響曲第2番の第3楽章の名旋律の一部が演奏された後,チェロ・ソナタがコントラバス用に編曲した版(調性を少し下げて演奏)で演奏されました。この日,いちばんの大曲で全体で40分近く掛かっていたと思います。

この曲については,2月にルドヴィート・カンタさんのチェロで聞いたばかりの曲でしたが,コントラバスで聞くと,曲がさらに巨大になったように感じました。岡本さんのコントラバスの音は,とても緻密で充実感があり,曲全体として引き締まった感じがしました。その上で,ラフマニノフならではの情感のゆらぎやチェロにはない重低音がグッと出てくる場面があったりして,表現が非常に多彩でした。

そして,中山瞳さんのピアノも美しかったですね。随所にラフマニノフらしい部分が出てくるのですが,響きに透明感があり,ちょっと苦み走った感じのコントラバスをなぐさめるような女神的な雰囲気があると感じました。

岡本さんは,「ラフマニノフは,うつ状態を乗り越えた後にこの曲を書いた。現在のコロナ禍の状況と重なるかも」と語っていましたが,まさにそういう,ストーリーを感じさせてくれました。チェロとは一味違った魅力を感じさせてくれる,素晴らしい演奏だったと思います。

最後にお馴染みのヴォカリーズが演奏された後,アンコールとして,ボッテジーニのエレジーという曲が演奏されました。大曲を演奏し終えた後の澄み切った境地という感じがあると思いました。

というわけで,まだまだコロナ禍は続きます。音楽を聞いて,時々気分転換をしながら,一日一日,地道に生きていくしかないかなと思いにさせてくれる演奏会でした。

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