OEKのCD

2021年9月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« #マルク・ミンコフスキ 指揮OEKベートーヴェン・チクルス2回目は2番と8番。「明るい狂気」と言っても良いような,これまでに聞いたことのないようなスピード感。OEKの皆様,大変お疲れさまでした,と言いたくなるようなハードな演奏。曲ごとに「違うベートーヴェン」を楽しませてくれますねぇ。明後日の3回目ではどういう側面を聞かせてくれるのでしょうか。 | トップページ | 五輪開会式と同時間帯に行われた2020/21シーズン最後のOEK定期公演は,正真正銘の「巨匠・井上道義」と神尾真由子さんの神技による聴きごたえ十分のプログラム。シューベルト4番とハイドン102番の2曲の交響曲の立派さ,プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番の底知れぬ魅力。堪能しました。#oekjp »

2021/07/15

#マルク・ミンコフスキ 指揮OEKベートーヴェン・チクルス3回目は,感動に溢れた6番「田園」と,いきなり巻き込まれてしまった感じの高速の5番。大げさかもしれませんが,生きていて良かった,と思わせるような会心の演奏の連続でした。

今晩は今週火曜日に続いて行われた,マルク・ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)によるベートーヴェン・チクルスの3回目を聞いてきました。演奏されたのは,6番「田園」と5番という超有名曲2曲。OEKが何回も演奏してきた曲ですが,改めてミンコフスキさんのアーティストとしての素晴らしさを実感できる,素晴らしい公演となりました。少々大げさかもしれませんが,あれこれ活動が制限されているコロナ禍の中,生きていて良かったと思わせるような実感と感動を味わうことができまいした。両曲へのアプローチは正反対のようなところもありましたが,ミンコフスキさんの曲に対する真摯で自由な姿勢がとても新鮮な演奏につながっていた点が共通していると思いました。

前半に演奏された第6番「田園」は,一昨日の2番と8番の狂気さえ感じさせる演奏とは正反対の落ち着いたテンポ設定。しかし,そこに溢れる音楽は大変瑞々しく,「こんな音,聞いたことがない?」と思わせるようなフレーズがあふれ出てくるような面白さがありました。この日も,第2ヴァイオリン~コントラバスの人数を増員していたこともあり,低弦から内声の響きが大変豊かで,鮮やかでした。

特に第2楽章が素晴らしかったですねぇ。ミンコフスキさんは演奏前のインタビュー動画で「田園はとても複雑な曲」と語っていましたが,色々な楽器が次々と浮き上がってきたり,主旋律以外の伴奏的な音型がくっきりと繰り返されたり,なるほどその通りと思いました。ブルックナーの交響曲など通じる要素があるのでは,と思ったりしました。そして至るところで,深い情感が込められていました。楽章最後の鳥の鳴き声の部分なども,大変表情豊かでした。

後半の楽章もそれぞれに生きた音楽を聞かせてくれたのですが,やはり最後の第5楽章が実に感動的でした。楽章の後半に向かうにつれて,音楽に込められた感動がじわじわと盛り上がっていきました。それを振り切って,決然と終わった終結部も爽快でした。

後半の第5番の方は,お客さんの拍手が鳴りやむか止まないうちにスパッとスタート。何か,「いきなり音楽に巻き込まれてしまった!」という感じででした。前のめりの勢いがあると同時に,細かい音型でのキレの良さ。ヤングさんとOEKならではの凄さだと思いました。第2楽章では,しっかりとした呼吸の深さを感じました。特にコントラバスの「ズン」という深い低音が見事でした。この低音を出す時,ミンコフスキさんは指揮棒をものすごく低く下げていましたが,そのイメージどおりの音が出てきて,「すごい」と思いました。

第3楽章も思い切りの良さのある演奏。ホルンの強烈な響き,コントラバスパートからスタートする,猛スピードのフーガ。目が覚めるような演奏でした。第4楽章は,正々堂々と王道を行くような,大変率直な気分でスタート。しかし,その後は音楽の流れに乗って,テンポが速くなったり,即興的な気分もありました。呈示部の繰り返しを行っていましたが,2回目では,さらに輝きと勢いのある音楽になっており,繰り返しを行う必然性のようなものを感じました。

この楽章で満を持して加わるトロンボーンやトランペットなどの金管楽器の音も爽快でした。コーダの部分は,高速,かつ,前のめりのテンポで,どんどんアッチェレランドしていく感じ。音楽できる喜びが爆発しているような祝祭感のあるフィナーレでした。この部分を聞きながら,ベートーヴェン・チクルス最終回の第9のフィナーレを予告する感じかも,と期待を膨らませてしまいました。

というわけで,チクルス3回目の演奏も,ミンコフスキ&OEKは,集中力十分,乗りに乗った会心の演奏。長い長いインターバルを置いた結果,双方の結束がさらに高まり,芸術監督のミンコフスキさんの真価が存分に発揮された,個性的かつ説得力十分の見事なベートーヴェンでした。コロナ禍の記憶と同時に,蘇ってくるようなOEK演奏史に残るような演奏だったかもしれませんね。

« #マルク・ミンコフスキ 指揮OEKベートーヴェン・チクルス2回目は2番と8番。「明るい狂気」と言っても良いような,これまでに聞いたことのないようなスピード感。OEKの皆様,大変お疲れさまでした,と言いたくなるようなハードな演奏。曲ごとに「違うベートーヴェン」を楽しませてくれますねぇ。明後日の3回目ではどういう側面を聞かせてくれるのでしょうか。 | トップページ | 五輪開会式と同時間帯に行われた2020/21シーズン最後のOEK定期公演は,正真正銘の「巨匠・井上道義」と神尾真由子さんの神技による聴きごたえ十分のプログラム。シューベルト4番とハイドン102番の2曲の交響曲の立派さ,プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番の底知れぬ魅力。堪能しました。#oekjp »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« #マルク・ミンコフスキ 指揮OEKベートーヴェン・チクルス2回目は2番と8番。「明るい狂気」と言っても良いような,これまでに聞いたことのないようなスピード感。OEKの皆様,大変お疲れさまでした,と言いたくなるようなハードな演奏。曲ごとに「違うベートーヴェン」を楽しませてくれますねぇ。明後日の3回目ではどういう側面を聞かせてくれるのでしょうか。 | トップページ | 五輪開会式と同時間帯に行われた2020/21シーズン最後のOEK定期公演は,正真正銘の「巨匠・井上道義」と神尾真由子さんの神技による聴きごたえ十分のプログラム。シューベルト4番とハイドン102番の2曲の交響曲の立派さ,プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番の底知れぬ魅力。堪能しました。#oekjp »

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック