OEKのCD

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2021年8月

2021/08/24

#オーケストラ・キャラバン 金沢公演。3日間制覇しました。最終日は #日本フィル #梅田俊明 さん指揮によるチャイコフスキー。交響曲5番は自然体の音楽の流れの中,気持ちよく音楽が爆発する快演!パケラさんのティンパニも曲に相応しい目立ち方(?)#川久保賜紀 さんとのVn協奏曲の冷静な凄みのある演奏にも感嘆

オーケストラ・キャラバン金沢公演の3日目,最終日には,梅田俊明指揮日本フィルが登場しました。プログラムはチャイコフスキーが2曲。川久保賜紀さんのとの共演によるヴァイオリン協奏曲と交響曲5番という,定番曲2曲が演奏されました。コロナ禍の中,全国のオーケストラが苦境にある中,チャイコフスキーの音楽の持つエネルギーと魅力を改めて実感できました。チャイコフスキーの音楽も不滅なら,オーケストラによる実演の楽しさも不滅ですね。

前半に演奏された,川久保賜紀さんとの共演によるヴァイオリン協奏曲では,何といっても川久保さんのヴァイオリンの「すごさ」に圧倒されました。この曲を実演で聴くと,ロマンティックな甘さに酔ったり,バリバリ演奏する技巧に感嘆したり,勢いに乗って盛り上がる音楽に熱くなったり...と聴き手の情感に訴えてくることが多いのですが,今回の川久保さんの演奏を聞いて,この曲の持つ根源的な迫力,底知れぬ迫力を実感できた気がしました。

川久保さんのヴァイオリンは非常に冷静。曲の設計図をしっかりと把握した上で,怜悧な刃物で曲をじっくりと切り取って見せるような凄さを感じました。もちろん技巧も鮮やかなのですが,急速なテンポでも平然と演奏するので,技巧を技巧的と感じさせない格好良さがありました。もちろん情感たっぷりな演奏も魅力的なのですが,川久保さんの演奏からは,そこを突き抜けた孤高の世界のようなものを感じました。梅田さんのバックアップも川久保さんのヴァイオリンにぴったりで,この曲から新鮮な魅力を引き出していたと思いました。

後半の交響曲第5番は,アマチュアからプロまで,各種オーケストラの演奏会でもっとも頻繁に演奏されている曲の1つです。恐らく,梅田さんも日本フィルの皆さんも,何回も何回も演奏してきた曲だと思います。今回の演奏からは,すべてが行き届いた熟練の味のようなものを感じました。どの楽章にもオーケストラのメンバーを信頼した自然な音楽の流れがあり,各楽器が気持ちよく鳴っていました。第2楽章のホルンのソロからもそういう気分を感じ,改めて,実演でこの曲を楽しくことのできる幸せをかみしめました。

この曲では,1楽章冒頭から4楽章のコーダまで「運命のテーマ」とでもいうべき主題が何回も出てきますが,特にトランペット+トロンボーンを中心とした金管楽器による気持ちよい吹きっぷりが印象的でした。音のバランスがしっかり整っていている上に強靭。この曲はこうで無くてはと思わせる迫力でした。

そして,OEKへの客演でも見覚えのあるティンパニのエリック・パケラさん。この方の大きな動作による要所要所での強打もインパクトがありました。見ていると,結構,腕を横に動かす動きも大きかったので,「指揮者がもう一人いるのかな」と思わせるほど目立っていました。

この1週間の間,3つのオーケストラを次々と聞く贅沢をさせてもらいましたが,本日の演奏は,その締めに相応しい聞きごたえと楽しさのある演奏でした。コロナに加え,長雨続きだった今年の8月で最大の楽しみをプレゼントしてもらった感じです。全国のオーケストラを応援する「オーケストラ・キャラバン」企画,コロナ感染拡大の中,色々と大変だったと思いますが,関係者の皆様に感謝をしたいと思います。ありがとうございました。

2021/08/23

#オーケストラ・キャラバン 金沢公演2日目 #松尾葉子 指揮 #セントラル愛知交響楽団 ビゼーのアルルの女第2組曲,ラヴェル編曲の展覧会の絵での率直な表現も印象的でしたが,ラヴェルのピアノ協奏曲での #萩原麻未 さんのピアノのタッチの素晴らしさに魅了されました。

オーケストラ・キャラバン金沢公演,先週の大阪交響楽団に続き,本日は松尾葉子指揮セントラル愛知交響楽団の演奏会を石川県立音楽堂で聴いてきました。プログラムは,ビゼーのアルルの女第2組曲,ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調(ピアノ独奏:萩原麻未),ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」ということで,「ほぼ」フランス音楽の名曲集でした。

ベテラン指揮者の松尾葉子さんについては,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の設立当初から何回か客演をされているのですが,私自身,OEK以外を指揮されるのを聴くのは今回が初めてかもしれません。松尾さんの指揮ぶりには,音楽をこれ見よがしに大げさに盛り上げたり,神経質に強弱を付ける部分がなく,非常に率直に自然体の音楽を作っていたのが印象的でした。

例えば,「展覧会の絵」の「キエフの大門」など,「ナニコレ珍百景」的に”タメ”を作るような感じはなく,美しく無理のない音でしっかりと聞かせるという演奏でした。その点で薄味の演奏でしたが(こてこての油彩というよりは水彩画風でしょうか),その分,各曲の「形」がしっかりと見えてくるような気がしました。冒頭の堂々とした落ち着きのあるトランペットをはじめ,各楽器がしっかりと音を聞かせていたのが良いなと思いました。

「アルルの女」第2組曲も同様でしたが,この曲については,井上道義指揮OEKによる「大きくうねるようなドラマ」を感じさせるような演奏を聞いたことがあるので,例えば,直線的に盛り上がるようなファランドールについては,もう少しケレンミが欲しいかなと思いました。

今回の演奏で,特に素晴らしいのと思ったのは,ラヴェルのピアノ協奏曲での萩原麻未さんのピアノでした。この曲はOEKと色々なピアニストの共演で,金沢では何回も演奏されてきた曲ですが,萩原さんのピアノはどこを取ってもお見事した。多彩でありながら,乱暴にならないタッチの美しさ,第2楽章での,まろやかでありながらも重苦しくならない艶っぽさ,第3楽章での速いパッセージでも全く乱れることのない鮮やかさ。恐らく,萩原さんはこの曲をこれまで何回も演奏されてきたのだと思います。しっかりと手の内に入った安心感の上での自在さが溢れる演奏でした。

今年初めて行われた「オーケストラ・キャラバン」シリーズ。コロナ禍が収まらない中での開催ですが,考えてみれば,ちょっとした「旅」気分も味わわせてくれます。先週は大阪のオーケストラによるオーストリアの音楽,本日は愛知県のオーケストラによるフランス音楽,明日は最終日の日本フィルによるロシア音楽。本日の演奏を聞きながら,夏の定番企画に育って行って欲しいなぁと思いました。

2021/08/20

#オーケストラ・キャラバン 金沢公演1日目 #髙橋直史 指揮 #大阪交響楽団 が登場。20世紀初頭に作られた曲ばかりを並べた,とても楽しめる演奏。特にマーラーの交響曲第4番は,生き生きとした表情に溢れた素晴らしい演奏。4楽章直前に入ってきた,ソプラノの並河寿美さんも天使のように見えました。

全国的に新型コロナウィルス感染拡大が止まらない中,「オーケストラ・キャラバン」として日本オーケストラ連盟主催で行われた,髙橋直史指揮大阪交響楽団の公演を石川県立音楽堂で聞いてきました。私自身,このホールに入るのは約1カ月ぶりのことです。

演奏された曲は,シェーンベルクの「浄められた夜」と「6つの歌」 op.8(中の3曲),そしてマーラーの交響曲第4番でした。プログラムの解説を読むと,1902~1904年に初演された曲ばかり。同時代の空気感を伝える曲を並べた,非常に楽しみなプログラムでした。

演奏も素晴らしいものでした。やはり大編成オーケストラの生演奏は良いなぁと実感しました。後期ロマン派の作品ばかりということで,濃厚で退廃的という先入観を持ちがちですが...髙橋直史さんの指揮ぶりは,大変明快で,音楽が前向きにぐいぐい進んでいくようでした。「世紀末」というよりは「新世紀」を切り開いていく新鮮さを感じさせてくれるような演奏だったと思いました。

シェーンベルクの「浄められた夜」といえば,ギュンター・ピヒラー指揮OEKによる,緊迫したムード溢れる演奏の印象が残っているのですが,本日の演奏からは,ほのかに暗い感じから,ほのかに明るい感じへと,生き生きと変化していくような爽快さを感じました。曲の最後の部分での,中声部の弦楽器による,軽やかに波打つような透明な響きが素晴らしいと思いました。

2曲目に演奏された,「6つの歌.op.8」も無調音楽になる前のシェーンベルクの作品ということで,R.シュトラウスの管弦楽伴奏付きの歌曲などと共通する雰囲気を感じました。トロンボーンやテューバも加わる大編成の曲ということで,ソプラノの並河寿美さんの声は,さすがに埋もれそうになる感じの部分もありましたが,その無理のない澄んだ声には伸びやかなスケール感があり,曲のムードにぴったりでした。この日は,演奏会の時間を短縮するため,6曲のうち3曲だけの演奏になったのが残念でしたが,特に2曲目の「紋章入りの盾」は全体の雰囲気が大変ドラマティックで,オペラの1シーンを観るような壮大さを感じました。

後半は,マーラーの交響曲第4番が演奏されました。金沢でマーラーの交響曲が演奏される機会は少ないので,私を含め,この曲を目当てに来られた方も多かったのではないかと思います。この演奏ですが...ものすごく楽しめる演奏でした。まず,第1楽章の冒頭のテンポが結構速く,グイグイ音楽が進んでいく感じがとても新鮮でした。クラリネットが印象的な主題を出す部分ではさらにテンポアップ。これもスリリングでした。かといって,慌てた感じはなく,しっかり歌わせる部分は歌わせ,しっかり酔わせてくれました。

オーケストラの音色も多彩で,その変化を鮮やかに聞かせてくれました。さらに,クラリネットやオーボエが強く演奏する部分では,結構頻繁にベルアップしており,見た目的にも楽しかったですね。楽器の持ち上げ方も,ちょっと斜めに持ち上げる感じだったので,正面から見てもよく分かりました。楽章の最後の方の陶酔的な気分になるところも,響きが重くなり過ぎず,清潔感があって良いなと思いました。

第2楽章はホルンやヴァイオリンソロが活躍しますが,どこか寝覚めが悪い感じで始まった後,レントラー風のワルツになるのですが,クラリネットが喝を入れるような感じで乱入。急に気分が変わる感じが,実にマーラー的だなぁと思いました。

第3楽章は誠実な思いがしっかりこもった深い味わいのある演奏。楽章最後のクライマックスでの大げさ過ぎないけれども,しっかり力のこもった盛り上げも印象的でした。この曲の場合,「ソプラノはどこで入ってくるのだろう?」というのも注目です。本日は第3楽章が終わった後,下手側のドアが開いて,白いドレスを着た並河さんがスッと登場。何というか,曲想の変化とぴったりな雰囲気で,一種のシアターピースのような感じで「天使が入ってきた」という視覚的な効果を感じました。

並河さんの声は,ここでもすっきりした感じと暖かみとがバランスよく調和した心地よい歌を聞かせてくれました。どちらかというと速目のテンポ感で,曲の最後,ハープの音がスッと止まると時間がパタッと止まったような感じに。その後,指揮の髙橋さんの動作も止まったままだったので,拍手が入るまで,とても長い間がありました。幸せな音楽の時間の余韻にずっと浸っていたい,というような長い間だったと思いました。

この日のお客さんの数は多くはなかったのですが,盛大な拍手が続き,大阪交響楽団の皆さんをしっかり見送りました。オーケストラキャラバン金沢公演は,8月23日,24日も行われ,セントラル愛知交響楽団と日本フィルが登場します。コロナの感染拡大は不安ではありますが,一日中,コロナのことばかり考えているのも,精神的には良くないのではと思います。感染防止対策に従った上で,来週も楽しみたいと思います。

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