OEKのCD

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2021/09/19

爽やかな秋晴れの中,OEK定期公演2021/2022シーズンがスタート。川瀬賢太郎さんの指揮,菊池洋子さんのピアノによる初期ロマン派プログラム。シューマンの「知る人ぞ知る」作品を中心とした爽快な公演。アンコールを含め,菊池さんピアノを堪能できました。#oekjp

爽やかな秋晴れの中,オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の定期公演2021/2022がフィルハーモニー・シリーズでスタートしました。指揮は川瀬賢太郎さん,ピアノは菊池洋子さんで,メンデルスゾーン,シューマン,ショパンというほぼ同年齢の作曲家による初期ロマン派の作品を並べたプログラムでした。この日の気候同様,さらっと晴れ上がったような演奏が続き,爽快な気分で新シーズンの開幕を迎えることができました。

最初に演奏された,序曲「美しいメルジーネの物語」は,メンデルスゾーンらしい描写的な音の動きと,大げさ過ぎないドラマが絡み合うような作品。川瀬さんが瑞々しく聴かせてくれました。

シューマンのピアノ協奏曲はOEKが取り上げることの多い協奏曲の1つです。冒頭,オーケストラに挑むような感じで菊池さんのピアノが始まった後は,ロマンティックで柔らかな気分を交え,多彩な表情を見せながら進んでいきました。菊池さんのピアノは細かい部分で本調子でないように思えましたが,第3楽章の終盤などは,オーケストラと一体になってノリの良いスケールの大きな音楽を聴かせてくれました。

特に印象的だったのは,第1楽章の中間部であるとか,第2楽章の後半であるとか,音楽が静かになる部分でのセンシティブな音楽でした。川瀬さん指揮OEKと菊池さんとが一体になって,別世界に連れて行ってくれる瞬間が沢山ありました。

その後,プログラム後半,再度菊池さんが登場し,ショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズが演奏されました。実はこの曲,9月17日の夜に,ショパン国際ピアノコンクールに出場する竹田理琴乃さんの演奏(こちらはピアノ独奏版ですが)で聴いたばかり。こんなに短期間の間に連続して聴く機会もめったにないことだと思います。

まず前半の「アンダンテ・スピアナート」の部分。ピアノの音が美しかったですねぇ。このままずっとこの調子でも良いと思わせるぐらいでした。後半の「大ポロネーズ」の部分からはオーケストラが加わり,文字通り華麗な展開。竹田理琴乃さんの方が軽やかでしたが,菊池さんの大柄な演奏も大変魅力的でした。

プログラム最後は,シューマンの「序曲,スケルツォとフィナーレ」という人を喰ったようなタイトルの作品。実態は,緩徐楽章のない小交響曲といった感じで,プログラム全体の最後に持ってくるには少々軽い印象はありましたが,それでも「シューマンらしさのツボ」が次々と出てくる聞きやすい作品でした。

川瀬さんはOEKの定期で取り上げる曲を選ぶ際には,「知る人ぞ知る,ちょっといい曲」を意識的に選んでいるようですが,この曲もまたそういう感じでした。

第1楽章ミステリアスな感じで始まった後,いかにも初期ロマン派的な瑞々しいメロディが出てきたり,第2楽章では,ちょっと何かをたくらんでいるようなひっそりとしたスケルツォになったり,とても楽しめました。第3楽章のフィナーレも,聴けば「シューマンだ」と思わせる雰囲気。ちょっとフーガを思わせる感じでがっちり盛り上がると同時に,流れよく音楽が進み,気持ちよく全曲が締められました。

そして,本日は最後に「予定外」といっても良いアンコール曲が演奏されました。川瀬さんとOEKと菊池さんは,9月26日に松江でも公演を行う予定でしたが,この公演がコロナの影響でキャンセルになることが決まったとのことです。この公演だけで演奏予定だったのが,モーツァルトのピアノ協奏曲第20番。しっかりリハーサルもしていたのにもったいない...ということで,松江公演の代わりに今回,第2楽章だけアンコールとして演奏されました。

この演奏ですが,さすが,モーツァルトを得意とする菊池さんという演奏。ゆったりと流れるというよりは,美しく弾むといった感じの演奏で,純度の高い美しさを味わうことができました。

松江公演がキャンセルになったように,まだまだコロナ禍は収束していませんが,新定期公演のシリーズでは,客席100%利用という「通常の形」となります。ウィズ・コロナの1年になりそうですが,こういう時だからこそ,しっかと「新様式」を守りつつ,生演奏の良さを楽しみたいと思います。

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