OEKのCD

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2021/10/09

#NHK音楽祭 2021は,石川県立音楽堂で行われた井上道義指揮 #oekjp によるオール・モーツァルト・プログラムで開幕。17歳の奥井紫麻さんのセンス抜群のピアノとの共演による協奏曲23,王道を行くような松木さやさんのフルート。井上さんの曲への愛が溢れるような交響曲第29番。存分に楽しめました。11/7 21:00 Eテレをお楽しみに

本日は,NHKが毎年秋頃に行っている「NHK音楽祭」の開幕公演を,石川県立音楽堂で聞いてきました。登場したのは,井上道義指揮オーケストラ・アンサンブル金沢でした。従来は,海外からの著名アーティストやオーケストラが東京のNHKホールで演奏するという音楽祭でしたが,コロナ禍の影響が続いている中,今年は全国各地のオーケストラが全国各地で演奏するという形になりました(今年の8~9月にかけて日本オーケストラ連盟が行っていた「オーケストラ・キャラバン」と似た感じ)。その最初の公演が金沢でした。

プログラムは,序曲,協奏曲,交響曲から成る,オール・モーツアルトプログラム。OEKが最も頻繁に取り上げてきた,得意のレパートリーを存分に楽しませてくれました。最初に演奏されたのは,OEKが過去何回も演奏してきた,「フィガロの結婚」序曲。ただし,大半はアンコールとして演奏されて来たので,コンサートの最初に聴くのは意外に珍しいことかもしれません。井上道義さんが元気よくステージに登場し,オーケストラの方に振り向いた途端に開始。息をつかせぬ音の流れ,しっかりとパンチを聞かせた爆発力。「正しいフィガロ」という感じでした。

続いて奥井紫麻(おくい・しお)さんというまだ17歳のピアニストが登場し,ピアノ協奏曲第23番が演奏されました。私自身,今回初めて名前を知った方だったのですが,既に国際的な注目を集めている方で,今回のNHK音楽祭に抜擢されました。

奥井さんは,白いドレスを着ていましたが,その演奏も演奏も無垢な感じで始まりました。しかし,曲が進むにつれて,どんどん内面の世界に入っていくような奥深さが出てきました。荒っぽい音はなく,少し陰りを持った弱音が随所で出てきました。暗さはあるけれども,ウェットな感じにならないところに,奥井さんのセンスの良さを感じました。

この内向的な感じは,第2楽章も同様でしたが,その表情に何とも言えない優しさと静かな強さが感じられました。OEKの方は,一瞬,木管楽器から変な音が聞こえてきてドキッとする部分はあったのですが,共感に満ちたバックアップを聞かせてくれました。第3楽章にも,OEKと一体となった自然な闊達さがありました。

現在,奥井さんはロシアで勉強されているということで,アンコールではラフマニノフの作品が演奏されました。その最初の音を聞いて「ロシアだ!」という感じに会場の空気が変わりました。その和音の透明感。素晴らしいと思いました。今回,1階席のややサイドで聞いていたこともあり,音がダイレクトに聞こえてこない感じもあったのですが(もう少し音量があった方が良いかもと感じました),今後どのように成長していくのかが大変楽しみなピアニストだと思いました。

後半はOEKのフルート奏者,松木さやさんがソリストとして登場し,フルートと管弦楽のためのアンダンテが演奏されました。松木さんの実力は,OEKファンならば誰でも知っていますが,まさに王道を行くような堂々とした演奏でした。これ以上何を望む?世は満足じゃという感じでした。本当に頼もしい奏者だと思います。

演奏会の最後は,交響曲第29番。この曲でも井上さんは振り向きざまにも演奏をスタート。慌てないテンポ感だけれども,そこには,井上さんの「この曲が好きでたまらない」といったことがしっかりと伝わってくるような熱さが籠っていました。井上さんが古典派の交響曲を指揮するときは,基本的な骨格はオーソドックスでありながら,自然に「思い」や「ユーモア」が滲み出てきます。全楽章を通じて,井上さんの人間味が伝わってくるような素晴らしい演奏でした。

第2楽章の最後にオーボエがピシッと出てくるところが好きなのですが,この部分で井上さんはスーツの襟を整えるような指揮の動作をされていました。まさに,加納さんのオーボエで襟元を正すという感じでした。ホルンの高音も続出する曲ですが,高貴な音を聞かせてくれた金星さんの演奏もお見事でした。

最後にアンコールが演奏。今回はNHK音楽祭ということで,11月7日にEテレで全国放送されるのですが,その辺を意識してか,井上&OEKの十八番といっても良い,武満徹の映画「他人の顔」のワルツが表情豊かに演奏されました。この演奏は,やはりアビゲイル・ヤングさんのリードの力も大きいですね。最後,井上さんとヤングさんはしっかりと握手(例の「拳骨」ではなく,本当の握手)をされていました。

終演後,オーケストラが全員引っ込んだ後,井上さんだけが呼び戻されました。OEKの音楽監督として,金沢の音楽文化を豊かにしてくれた井上さんらしさを存分に楽しむことのできた公演でした。

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