本日は #カムカウム ロスを埋めるため石川県立音楽堂で行われた #森山良子 さんと #渡辺俊幸 さん指揮 #oekjp の公演を聞いてきました。エネルギーとジャズのテイストの溢れる歌唱と平和への祈り,そしてカムカムでの激走の話題などの楽しいトーク。渡辺俊幸さん編曲のハリウッド風モーツァルトも最高でした
本日の午後は,石川県立音楽堂で行われた,森山良子さんと渡辺俊幸さん指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢による,ファンタスティック・オーケストラコンサートを聞いてきました。森山さんといえば,4月8日に最終回を迎えたNHKの朝ドラ「カムカム・エヴリバディ」の終盤を大きく盛り上げた「アニー・ヒラカワ」役として感動的なシーンの数々に加わっていました。ので...本日は正直なところ,その「ロス」を埋めるために聴きにきました。そしてその「ロス」を”ほぼ”埋めてくれるようなパフォーマンスの数々を楽しませてくれました(”ほぼ”というのは,あの曲が歌われなかったからなのですが,これは今後の楽しみにしたいと思います)。
この日のプログラムは前半は,渡辺俊幸さんの作曲・編曲による,映画音楽やテレビドラマ音楽を集めたもので,渡辺さんの鮮やかな編曲の数々を楽しむことができました。途中,「もしもモーツァルトがハリウッドの映画音楽家だったら」という曲が演奏されたのですが,そのアレンジの職人技が素晴らしいと思いました。モーツァルトのジュピター交響曲の4楽章のテーマ(主役),クラリネット協奏曲の2楽章のテーマ(愛のテーマ),交響曲25番の冒頭のテーマ(敵役)という構想どおりの面白さでした。
後半は森山良子さんの歌を中心としたステージでした。約1時間,すべての曲を歌い,間にはトーク...ということで,まず,その体力が素晴らしいと思いました。トークの中で,「カムカム」の中で,何回も走らされたエピソードが紹介されていましたが,本日の公演を聞いて,そういう森山さんを見越しての設定だったのではと思わせるほどでした。
# カムカムの話題など,まだまだお話を伺いたかったですが,この辺は森山さんが担当しているラジオ番組「オールナイトニッポン」でも聞けそう。
まず最初に予定を変更して,オーケストラ演奏なし,森山さん自身のギターのみで「さとうきび畑」が歌われました。ロシア軍のウクライナ侵攻という状況に対して,平和を祈るメッセージが込められた,感動的な歌でした。
その後,森山さんの名刺代わりのように「この広い野原いっぱい」と「涙そうそう」の「人気曲(森山さんの曲の中でこの2曲+「ざわわ」がいつも上位に来るそうです)」が歌われた後,この日のテーマだった,映画の中の曲,さらにはオペラアリアまで歌われました。私が森山さんの声を聞くのは...15年ぶりぐらいなのですが,その時と変わらぬ,安心して聴ける声でした。特に高音がしっかりと出ているのが素晴らしいと思いました。
ヴェルディの「椿姫」の乾杯の歌は,本来は男性と女性が交互に歌う曲ですが,本日は森山さんが一人で担当。1回目はイタリア語,2回目は日本語で歌う感じで,「飲みごたえ満点」の歌を聞かせてくれました。その後に,飲み過ぎた「酔っぱらい」の歌が続くという楽しい構成。この曲はシュトラウスの「アンネンポルカ」に歌詞をつけたものですが,森山さんのキャラクターにぴったりだと思いました。
「私お気に入り」などでは,英語の発音が素晴らしいと思いました。私が書くまでもないことですが,「さすがアニーさんだ」と思いました。ジャズのテイストもしっかりと漂っていましたので,アンコールで,「On the sunny side of the street」を歌ってくれないかなとも思ったのですが,今回アンコールで歌われたのは,「聖者の行進」でした。サッチモつながりの楽曲かもしれませんが,これがまた驚きのパフォーマンスでした。OEKがすっかりビッグバンド化し,厚みのある音を聞かせた後,森山さんと楽器ソロとが掛け合いを続けるという趣向。森山さんが色々な楽器の声色で歌うあたりが素晴らしかったですね。大盛り上がりでコンサートは終了しました。
改めて「平和な世界」で音楽を楽しめることの喜びを感じさせてくれるような公演でした。唯一の心残りについては,是非,「森山良子ジャズを歌う」みたいな感じの続編でお願いしたいと思います。
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