OEKのCD

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2022/07/01

早くも梅雨が明けてしまった週末,原田智子ヴァイオリンリサイタルへ。重量感のある前半とSPレコードの世界を思わせる後半。そして永遠に続いて欲しいような「揚げひばり」。センス抜群の素晴らしい公演でした

早くも梅雨が明けてしまった金曜日の夜,OEKのヴァイオリン奏者,原田智子さんのヴァイオリン・リサイタルを金沢市アートホールで聴いてきました。ピアノは倉戸テルさんでした。原田さんは毎年のようにリサイタルを行っていますが,ますます絶好調という感じで,今回も素晴らしい演奏を楽しませてくれました。

今回,何夜も素晴らしかったのは,選曲・構成だったと思います。前半最初に,J.S.バッハの無伴奏の「シャコンヌ」,続いてブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番。どちらも後半のトリに来ても良いような重めの作品でしたが,それらをバシッと聞かせた後,後半はハイフェッツやクライスラー編曲による小品3曲。最後はイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番から第1楽章「夜明け」とヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」。最後の2曲は,続けて聴くと,どこか響き合うような,共通する味わいを感じました。

というわけで,センス抜群の選曲と構成でした。

演奏の方は,いつもどおりの原田さんの音と表現を楽しむことができました。ビシッと引き締まった緻密で密度の高い音をベースに,熱く歌ったり,虚無的にクールに決めたり...自由自在に原田さんの世界を聞かせてくれました。最初のシャコンヌを聴くのは2回目だと思いますが,大げさになり過ぎず,辛口な雰囲気の中から段々と味わい深さが増して来るようでした。

ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番では,倉戸さんのピアノの豊かで余裕たっぷりの音と相俟って,スケールの大きな音楽を楽しませてくれました。第2楽章でのじっくりと語り合うような深さも素晴らしかったですね。

後半の最初の3曲は上述のとおり,小品3曲でした。こういう親しみやすい曲が並ぶと,前半のアンコールのような感じなり,会場の雰囲気がどんどん盛り上がってくるようでした。単に親しみやすいだけでなく,その中に「人生の苦み」のようなテイストがあるのも良いなぁと思いました。

イザイの無伴奏の曲は実演で聴くのは初めてでしたが(多分),かすれるような弱音から始める雰囲気が非常にミステリアスで,「いいなぁ」と思いました。別世界が広がっていくようでした。そして,その後に演奏された「揚げひばり」の方も冒頭のヴァイオリンソロの部分の高く雲雀が飛翔するような感じが魅力的で,さらに異次元の世界に入ったようでした。静かな雰囲気で演奏会を占めるのが,非常にセンスが良いなぁと思いました。

アンコールで演奏されたのは,フォスターの「金髪のジーニー」。後半最初の3曲に通じる親しみやすい曲で,SPレコードを生で聴いているような充実感を感じました。

原田さんのリサイタルではこれまで,聴きごたえのあるソナタなどを中心に演奏してきましたが,今回のような小品を交えてプログラムも面白いなぁと思いました。というわけで...原田さんのリサイタルには,今後さらに期待をしたいと思います。

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