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ラ・フォル・ジュルネ金沢

2016/12/03

ラ・フォル・ジュルネ金沢 2017は開催せず,別名称の音楽イベントへ。残念・心配・仕方ない・今後に期待...が入り混じった「思い」を整理してみました。

新聞等の報道によると,石川県立音楽堂を中心に5月の連休中に開催する大規模な音楽イベントとして定着ているラ・フォル・ジュルネ金沢が今年で終了し,来年からは別名称の音楽イベントを目指すとのことです。

9年間行われたラ・フォル・ジュルネ金沢に,ほぼ全日通い続けた身としては,まずは「残念」という思いですが,その一方,ここ数年の音楽祭の様子を眺めていると「仕方がない」という思いもありました。「ラ・フォル・ジュルネ」という看板を使っているからには,統一されたテーマに従うというのが当然なのですが,金沢独自プログラムのウェイトが年々大きくなっていました。

というわけで,色々な思いが交錯しています。その思いを整理した後,今後,どういう音楽祭になっていったら良いのだろうか?ということを勝手に考えてみました。

1.「残念→心配」というマイナスの思い

ラ・フォル・ジュルネ金沢は,金沢にとって,目に見える効果を持った劇的なものでした。連休中のJR金沢駅周辺を華やかなお祭り気分に変え,その余韻を伴って,コンサートホールに行き,クラシック音楽をハシゴで楽しむというスタイルを定着させました。地元の音楽関係者を大々的に巻き込み,「ラ・フォル・ジュルネのステージに立てる」という晴れの舞台になっている部分もありました。いずれにしても,「生のクラシック音楽鑑賞」を金沢市民を中心とした連休中の娯楽の一つに組み込ませた業績は大きかったと思います。

ただし,その成功の理由は,やはりルネ・マルタンさんの作ったラ・フォル・ジュルネのコンセプトによるものが多大だったと思います。毎年テーマを決めることによるイベント全体としてのお祭り感,登場するアーティスト(特にピアノ,ヴァイオリン等の器楽奏者)の演奏のレベルの高さ,テーマに沿ったプログラムの多様性,ハシゴするプログラムを自由に決められる楽しさ,そして何よりも”ラ・フォル・ジュルネ”という意味はよく分からないけれどもどこか引き付けられるネーミングとそれをビジュアル化したポスター...

こういった要素すべてが合わさってラ・フォル・ジュルネになっていたのですが,この完成度の高い音楽祭を止めて,どう新しく作っていくのか?となるとかなり心配です。

ラ・フォル・ジュルネの場合,個々のアーティストの知名度としては,それほど高くないのですが,ラ・フォル・ジュルネというネーム・バリューが年々「信頼のブランド」になっており,多くのお客さんが集まっていました。このブランドを外した場合,どうやって集客をするか(特に他県からのお客さん)にかなり苦労する気もあります。

2.その一方の「仕方がない→新たなスタートへ」という思い

その一方,上述のとおり,まずここ数年のラ・フォル・ジュルネ金沢については,「看板に偽りあり」という部分がかなりありました。昨年のテーマは,バロック音楽がテーマだったのに,いきなりベートーヴェンの交響曲第7番が出てきて,しかも超満員になる,という状況は「?」でした。

音楽祭の企画制作をしているKAJIMOTOとは「方向性が違ってきていますね」という点で意見は一致しているので,その看板を外すというのは,自然な流れということになります。ラ・フォル・ジュルネを続けていくことで,金沢独自のアイデアやノウハウが蓄積し,自立してやっていきたいという自信が出て来たことは,音楽祭を長く継続していく上には良いことだと思います。逆に言うと「自信」がないのに独自路線に転換ということならば...結構不安ではあるのですが...

「連休期間中のJR金沢駅前」というゴールデンな「時間」と「空間」をクラシック音楽の生演奏のために使いまくるという合意は,この9年間の成功により,金沢市民の中にはしっかりとコンセンサスが得られたと思います。結構揺るぎないものだと思います。そして,このコンセンサスを得たこと自体がラ・フォル・ジュルネ金沢のすごさだったと思います。

個人的には,ラ・フォル・ジュルネという名称は変わったとしても,金沢市民の中に育ったこのコンセンサスを維持して欲しいなと思います。

そういう意味で,転換点となる2017年が重要になるのですが,ルネ・マルタンさんのコンセプトに対抗するようなすごいものが短い準備期間で作れるとも思えません。2017年については,ラ・フォル・ジュルネの要素を残すなど継続性を意識しながらも,実験の音楽祭にして欲しいと思います。

思い返せば,ラ・フォル・ジュルネ金沢が始まった1年目も盛大な実験だったと思います。「すべてのコンサートに入れます」というパスを発行したため,どの公演も超満員になるというすごいことになってしまいましたが,そのインパクトは2年目以降の定着の原因の一つだったと思います。

というわけで,従来のラ・フォル・ジュルネ金沢の要素の中から残すものと,新しく加えるものを整理して,実験的な2017を行い,その成果を踏まえて,集客力のある継続可能なものへとバージョンアップしていくことが重要なのではないかと思います。

3,こういう音楽祭なら良いのでは?
すでに,関係者の間では構想は進んでいるのかもしれませんが,最後に「こういう音楽祭ならば良いのでは」という案を5W1Hに分けて整理してみました。

1 When いつ
・ラ・フォル・ジュルネ金沢と同じく4月末から5月連休にかけて実施
・前半はエリアイベント,後半は石川県立音楽堂中心に本公演とする
・前半の吹奏楽などは,すでに金沢独自路線で定着しているので,そのままでも良いのでは?
・「1コンサート45分単位」も原則維持するが,もう少し自由度を高めても良いかも

2 Who 出演アーティスト
・オーケストラ・アンサンブル金沢をベースとする。
・著名指揮者+オーケストラを招聘する
・金沢独自のルートで著名アーティストを集める(バボラク,フックスのような形で)
・金沢に愛着を持っているアーティストを集める
・金沢で活躍するアーティスト

3 Where どこ
・ラ・フォル・ジュルネ金沢と同様,JR金沢駅周辺を使いまくる

4 What 何を演奏するか?
・ここがいちばんのポイント。
・ターゲットは,これまで同様,マニアックな人を含む老若男女すべての人。クラシック音楽初心者向けのプログラムとマニアックなプログラムをどう組み合わせるかがポイント
・誰にどういう曲を演奏してもらうかの選定については,中心となるプロデューサが必要になるのでは?現在の役職的には,池辺晋一郎さん+井上道義さんでしょうか?
・統一テーマのもとにプログラムを決め,テーマから逸脱した曲は演奏しないという形が望ましいが...。個人的には,来年のラ・フォル・ジュルネのテーマの「ダンス」に興味があったので,そのまま金沢でやってもらいたい気もします。

5 How どう運営するか?
・石川県+金沢市+地元企業+チケット収入 というのは従来同様
・特定の新聞社・放送局等の主催のような形にはしない。が,北國新聞の多大な協力は不可欠だと思います
・ラ・フォル・ジュルネのイメージば,イジー・ヴォトルバさんのイラストのイメージで作られている面を大きい。これに変わるビジュアルを金沢独自で作れるかどうかが非常に大きな課題。
・そして,そのビジュアルイメージと合致した音楽イベント名をどうするか?がさらに大きな課題。語感が堅くなり過ぎず,ウィットがあり,なるべくシンプルで明るい感じのネーミング(できれば愛称も)があると良いのですが...
・金沢の良さは,会場が大きすぎず,密度が高いこと。その結果,アーティストと身近に触れ合えることだと思います。この良さは残して欲しいと思います。

最後にいろいろな思いを振り返りつつ,2008年のラ・フォル・ジュルネ金沢の第1回目の最終日に書いた文章を再掲載しておきたいと思います。

http://oekfan.air-nifty.com/news/2008/05/post_a07b.html


2016/05/06

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 #lfjk 最終日は,朝一のエル=バシャを手始めに,惑星,グランドキャニオン,福間洸太朗,OEKの田園,栗コーダーカルテット,小山実稚恵,そしてクロージングコンサート。関係者の皆さん,ありがとうございました。

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016の最終日も,金沢市は快晴に恵まれました(風は相変わらず強かったですが)。私は,朝一のエル=バシャを手始めに,惑星,グランドキャニオン,福間洸太朗,OEKの田園,栗コーダーカルテット,小山実稚恵,そしてクロージングコンサートを聞いてきました。

エル=バシャさんのベートーヴェンは,日常を超越した世界が広がっていました。一見クールな中,哲人が思黙考するような瞬間がありました。聞くたびに素晴らしいピアニストだなぁと感じます。エル=バシャさんのベートーヴェン,また聞いてみたいです。

ナビル・シェハタ指揮新日本フィルによる「惑星」は,今回,特に人気の高かったプログラムで,超満員でした。それだけ,金沢で演奏される機会の少ない作品です。

今回の演奏ですが,引き締まった筋肉質の「火星」から始まり,大編成オーケストラの魅力を堪能できました。生で聞くと一層楽しめる曲です。終盤の海王星,天王星など,これまであまり熱心に聞いたことのなかった曲が特に面白いと思いました。ちなみに,天王星の最後に女声合唱のヴォカリーズが入ることになっていますが,今回は舞台裏の電子的な楽器(?)で代用していたようです。

本日の昼食。
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井上道義指揮新日本フィルのグローフェ「グランドキャニオン」では,堂々たるスケール感の「日の出」をはじめ,大変じっくりダイナミックに大峡谷の一日が描かれていました。この曲はCDでも実演でも,近年は軽視されがちですが,名曲だなぁと実感。最後の「豪雨」の部分では(井上さんお得意の)照明の演出もありました。

午後からは今回初めてアートホールへ。
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福間洸太朗さんの公演は,ナチュールのテーマどおりのこだわりの選曲でした。技巧的な曲や標題のある小品の数々を聞きながら,SPレコード時代のヴィルトーゾ・ピアニストの時代が再来するのも面白いかもと実感。最後のリストの曲は大盛り上がりを感じました。

続いて,ナチュールのテーマでは絶対欠かせないベートーヴェン「田園」を井上道義指揮OEKの演奏で聞きました。この公演も超満員でした。次のような感じで両サイドもいっぱいでした。
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演奏の途中(3楽章の途中)でティンパニ,トロンボーン,トランペット,ピッコロが 入ってくるなど(「チーム嵐」でどう?)の井上さんならではの「目立たせる工夫」をしつつ,「OEKのいつもの田園」を新鮮に聞かせてくれました.

この時間帯は大賑わいでした。
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続いて時間調整も兼ねて栗コーダーカルテットの公演へ。実は...昨晩の「花の章」公演の払い戻しがこれに化けました。ナチュールに関係あるのかは不明ですが,「自然体」の演奏ということでナチュールなのかもしれません。リコーダーとテューバの組み合わせが実に良い味を出していました。サインもいただいてきました。

↓次のような感じのステージで,楽器を色々持ち替えて演奏していました。
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コンサートホール公演の最後は,小山実稚恵さんのソロによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番他。実質的なトリに相応しい力感と高級感の溢れる演奏でした。クルデーレさん指揮プチョン・フィルも大変若々しいバックアップでした。

その後,交流ホールに向かい,クロージングコンサートに参加してきました。

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↓開演を待つお客さん
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クロージングコンサートでは,今回登場した3人の指揮者+歌手2名+OEK祝祭管弦楽団による楽しいステージでした。ホールの響きは相変わらずデッドですが(やはり,昨年よりもステージの高さが少し変わった気がしますが...気のせい?),オケを間近に取り囲んでのステージは聴衆の一体感を高めてくれます。演奏された曲の中では,OEKが演奏することはまずない,スターウォーズのテーマがとても新鮮でした(かなり以前,ボブ佐久間さんや渡辺俊幸さん指揮で聞いたことがあるかも)。

登場したソプラノのボルコヴァさんとバスの森雅史さんの声も素晴らしかったですね。特にボルコヴァさんの声は間近で聞くと音がダイレクトに飛び込んでくるようで圧倒的でした。

その後,森さん主導で,シューベルトの「野ばら」を皆で歌いました。昨年歌った「ハレルヤコーラス」は難易度が高かったのですが,「野ばら」ならば,私でも歌えました。ドイツ語の歌詞でも皆さんほぼ大丈夫そうでした。

今回のラ・フォル・ジュルネ金沢ですが,大曲が多かったこともありOEK祝祭管弦楽団が大活躍でした。いろいろ課題はあると思いますが,是非継続していって欲しいと思います。例えば,5月以外にも9月(音楽堂アニバーサリーなど)にも登場し,大曲を演奏するのもありかも。POPSオーケストラとしてジョン・ウイリアムズ特集とかでも面白いかもしれません。

今年のラ・フォル・ジュルネ金沢は,テーマの面では「何でもあり」の気配はありましたが,例年通り,充実した内容だった思います。祭の終わりの寂しさを感じつつ,明日から現実復帰です。関係者の皆様,ありがとうございました。

2016/05/05

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 ナチュール:自然と音楽 本公演2日目 コンサートホールを中心に京大,OEK,プチョンの3オーケストラ+ペレスさんのピアノ,中嶋彰子+能を聞きました #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 ナチュール:自然と音楽 本公演2日目は,天気予報が外れる形で,思わぬ快晴となりましたが,公演の方では,思わぬ「花の章」事件があるなど,変化に富んだ1日となりました。

↓午後のようす。凄い人数です。
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この「花の章」事件は,プチョン・フィルによるマーラーの交響曲第1番「巨人」の公演で予定されていた「花の章」が予告なく演奏されなかったというものです。単純な曲目変更ならば,よくあることですが,「花の章付き」というのが,この公演のチケットを売る場合の決め台詞だったと思うので,かなり反響は大きく,結局,「払戻可能」ということになりました。

私自身,演奏の途中から,「どこで演奏する?なぜ演奏しない?」といったことが気になり,演奏後拍手できませんでした(初めてのことです)。直前のペレスさんの公演がかなり伸びたので,その影響でカットしたのかな?などと勝手に憶測していました。それに加え...実は演奏自体にも満足できませんでした。音が鳴っているだけで味が薄いと感じました。後ろめたいところはありましたが,けじめとして払戻をしてきました。

通常の公演の場合,演奏者目当てのことが多いのですが,ラ・フォル・ジュルネの場合,曲目で選ぶ人も多いので,この辺は特に慎重さが必要なのだと思います。それにしても...演奏後に払戻,というのは大変珍しいケースかもしれません。その対応の速さには感心しました。

さて,その他の公演ですが,朝一で行われた井上道義指揮京都大学交響楽団の演奏を聞いたて,その水準の高さに感嘆しました。特にドヴォルザークの交響曲第8番の第4楽章の最初のトランペット。素晴らしい音がピシッと揃って,鳥肌が立ちました。井上さんも「どうだ!」という表情でしたね。

今回はとても良い場所(2階前方のバルコニー席)で聞いたこともあり,団員と一緒になって井上さんの指揮に反応するような感じで楽しんでしまいました。

↓違反かもしれませんが...終演直後に撮影したものです。
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改めて,間近で見る井上さんの指揮の素晴らしさを実感すると同時に,その手足,それどころか,その血や肉になったような集中力の高い演奏を聞かせてくれました。

この公演では,最初に「ウィーンの森の物語」も演奏しました。ツィター無しだったこともあり,最初の部分をバサっとカットして,いきなりフルートの独奏(立って演奏していたのにも驚きました)が出て来たのにも驚いたのですが,最後,OEK弦楽メンバーがオルガンステージに登場し,照明が緑に変わり,通常ツィターが演奏する部分を室内楽風に演奏しました。これは面白い演出だと思いました。!

OEKメンバーの服装がリアルなふだん着だったので,ウィーン観光中のアーティストが思わず飛び入りで参加...という「物語」を勝手に作って聞いてしまいました。音楽堂オリジナル版としてまた聞いてみたいものです。

今,「朝一」と書いたのですが,実はその前に,交流ホールで行われた金大吹奏楽団のファミリーコンサートも少し聞きました。演奏された「カーペンターズメドレー」に含まれる曲だけではなく,真島俊夫編曲版自体が既に定番ですね。聞いていて懐かしくなりました。

その時に気づいたのですが,交流ホールの八角形ステージですが高さが昨年までよりも低くなっていること(のような気がしたのですが....)に気づきました。これは大変良いと思います。音の通りがよくなった上,ステージがさらに間近になりました。サイド前方で聞いていたのですが,金大吹奏楽団と客席の一体感を感じました。

その後,昼食。本日は能登牛のカレー。においが一番のPR手段ですね。
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午後からは,アレッサンドロ・クルデーレさん指揮OEK祝祭管弦楽団による「白鳥の湖」「火の鳥」の紅白鳥尽くし。京大交響楽団の素晴らしい演奏の後でしたが,やっぱりOEKの演奏は鮮やかだなぁと思いました。クルデーレさんはまだ若い方で,指揮ぶりの方も,もう少し熟練が必要かな,という気はしましたが,メンバーに暖かく(?)見守られているようで,とても気持ちの良い音楽を聞かせてくれました。

邦楽ホールに移動し,ルイス・フェルナンド・ペレスさんの公演。これは,今回のテーマにぴったりのしっかりとしたコンセプトのプログラム。ピアノ曲については,小品~中品が多いのですが,やはり本家のプログラム(ルネ・マルタンさん監修?)は,面白いと思いました。

吟味し尽くされたような素晴らしいタッチと秘めた熱さと...演奏後の笑顔。本当に素晴らしいピアニストだと思いました。超満員のお客さんも大満足でした。

アンコールを2曲も演奏してくれてペレスさんも絶好調でしたね。ただし,この影響で,その後の公演が5分ずつ後ろに伸びてしまいました,

プチョン・フィルのマーラーの後は, 金沢名物の能とのコラボ。今年は中嶋彰子さんとの共演による,月に憑かれたピエロを中心とした内容でした。月に憑かれたピエロについては,数年前,映像付き公演を見たことがありますが,今回はその時の映像を転用していました。それに渡邊荀之助さんの般若が加わり,ピエロを殺害といった...非常にチャレンジングな公演になっていました。

ただし,相変わらず能自体については,どう楽しむのかよく分かりません。今回,池辺晋一郎さんによる「月に憑かれたピエロ」についてのトークが入ったのですが,伝統芸能としての能をPRするためにも,「能のしきたり」についてのプレトークも必要かな,と感じました。

その他,中嶋さんの独唱で歌曲も数曲歌われました。可憐さと深さが同居したような歌は,どれも見事でした。金沢で何回も聞いていることもありますが,私にとって今いちばん波長の合うソプラノ歌手が中嶋さんといえそうです。

本日の最終公演は,おなじみ菊池洋子さんのピアノ+クルデーロ指揮OEKによる,グリーグのピアノ協奏曲他でした。菊池さんのピアノには,結構粗い部分もあったのですが,冒頭の堂々としたタッチから,見ているだけでスケールが大きいなぁと感じました。それと,菅原さんのティンパニは,相変わらず迫力があります。一日の最後(=結構疲れていました)ということもあり,緩徐楽章は特に心地よく響きました。

というわけで,あれこれあった一日でしたが,複数のオーケストラを聴き比べられるというのは,やはりラ・フォル・ジュルネらしいところだと思います。

↓ホテル日航金沢の建物内の生け花も,心なしかかなりナチュール風でした。
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2016/05/03

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 本公演1日目 OEKの四季,ケフェレック,カンマーアカデミー・ポツダム,ラデク・バボラーク,椿姫ハイライト #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016も本公演が始まりました。
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今年は(も?)3日連続で聞きに行く予定です。ただし,「連日,朝から晩まで」というのも体力的に大変なので,3日目に体力が残るように焦点を合わせ,本日は少な目にしました。

コンサートホールの公演は「朝一」の吹奏楽公演が満席だったようですが,邦楽ホールの最初の公演,ヴィヴァルディの四季も人気曲だけあって,満席になっていたようです。演奏は,OEKで,独奏ヴァイオリンは,OEKと初めて共演する(多分),ベルリン・フィルの第1ヴァイオリン奏者,町田琴和(Vn)でした。

実は,ヴィヴァルディの四季については,昨年のラ・フォル・ジュルネ金沢でもOEKが演奏しています。その時はコンサートミストレスのアビゲイル・ヤングさんとの熱い演奏でした。ヴィヴァルディの四季については,CD録音をしていることもあり,「OEK版」と言っても良いような流儀がある気がしますが,今回の町田さんとの演奏は,その流儀に初共演の町田さんのシャキッとした演奏が絡み合い,クールな緊張感のある演奏だったと思います。バロック音楽ならではの,通奏低音の音の自在の動きも楽しめました。

その後,邦楽ホール前のカジマートさんでタケノコご飯を買って昼食。450円というお得な価格でした。今年のタケノコは当たり年という噂ですが,そのとおりだと思いました。
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音に釣られて鼓門下に行くと,ものすごい人だかり。金沢市中学校吹奏楽団が演奏中でした。こういった中学生が音楽祭に関わることで,LFJKは着実に金沢市民に浸透していっていると思います。
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金沢駅から兼六園口の方に出ると,ドームの中に吹奏楽の音が気持ちよく広がっています。この感覚は,ディズニーランドなどのテーマパークに入った時のワクワク感とかなり似ているのではないかと感じました。

続いてコンサートホールのカンマーアカデミー・ポツダムとアンヌ・ケフェレックさんの公演へ。ケフェレックさんは,毎回登場しているのですが,必ず赤丸を付けて聞きに行っています。今回演奏されたモーツァルトの27番は,ラ・フォル・ジュルネ金沢の2年目にも一度,OEKと共演していましたので,本当は当初の予定の21番を聞きたかったのですが,OEKの時とは一味違ったコラボレーションを楽しませてくれました。

ケフェレックさんのピアノの音は年々自信と気品が増してくるようです。全体に穏やかで優しい雰囲気が漂う中,時折,晩年のモーツァルト作品らしく,ものすごく深い陰が漂います。その表現に作為的なところがなく,今年のテーマどおり「自然」でした。全曲どこを取っても美しさと深さに満ちていました。

カンマーアカデミー・ポツダムの演奏は,最初に演奏された「水上の音楽」の時もそうだったのですが,全員(チェロ以外)が立って演奏していました。トランペットやホルンはオリジナル楽器(多分。バルブが付いていなかった気がします)を使っていましたが,出てくる音には古臭いところはなく,すべての音が軽やかに溶け合っていました。

モーツァルトのピアノ協奏曲の時も全員が立って演奏していたのは珍しいと思います。ケフェレックさんは,指揮をしているわけではなかったのですが,オーケストラと向き合う形(お客さんに背を向ける形)で座っていました。特に木管楽器とは正面から向き合う形になります。曲の最初の方から,この木管楽器の音がとてもくっきりと聞こえていたのがとても印象的でした。この積極性あふれる木管の音が,「あの世」に近づいたような響きを「この世」の方に引き戻しているような気がしました。

弦楽器の方はとても軽やかな音で(OEKよりも一回り少ない人数でした),独特の浮遊感のある演奏を楽しませてくれました。

その後,いったん帰宅し,夜まで休息。カンマーアカデミー・ポツダムによるK123の公演は聞けなかったのですが,ボッケリーニの「マドリードの夜の通りの音楽」は,きっと楽しめたのではないかと思います。

さて夜の部です。18:00からは,金沢オリジナル公演の元ベルリン・フィルの首席ホルン奏者,ラデク・バボラークを中心とした室内楽公演では,バボラークの”ムラなく・ムリなく”コントロールされた見事な音に改めて感嘆。最後に演奏されたブラームスのホルン三重奏曲(この曲は,一度,実演で聞いてみたかった曲です)は,特にじっくりと演奏され,特に聞きごたえがありました。終演後は,サイン会も行っており,しっかりいただいてきました。

本公演1日目の締めは,OEKによるヴェルディ「椿姫」ハイライトでした。実は,もっとお手軽な感じの内容を予想していたのですが,公演時間が通常のラ・フォル・ジュルネ・サイズ(45分)よりも長かったこともあり,2幕後半ヴィオレッタとジェルモンの場を中心に,ほとんど全部観てしまったような充実感がありました。改めて,「椿姫」は,各幕に聞きどころの多い作品だと思いました。

ステージでのオペラらしく,ソロも合唱も管弦楽も大変ダイナミックに聞こえてきました。ソリストの中ではアルフレート役の清水徹太郎さんの声がこの役にぴったりでした。ヴィオレッタ役のヤーナ・ボルコヴァさんは,大変よく通る声でしたが,ヴィオレッタにしては,ちょっと元気が良過ぎるかな,と思いました。

本日は4公演を聞きましたが,こうやって振り返ると,金沢独自企画の公演がどんどん充実しているな,と感じました。

2016/05/01

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 吹奏楽の日 強風にも負けず「自然と音楽」を実感できました。陸上自衛隊の歌姫 鶫真衣さんの伸びやかな声が広場全体に広がっていました。 #lfjk

本日は午前10時から午後4時まで,ラ・フォル・ジュルネ金沢恒例の「吹奏楽の日」公演をしいのき迎賓館裏の緑地で聞いてきました。今年のテーマは「自然と音楽」ということで,この公演自体テーマにぴったりです。金沢城の石垣を背景として,12団体が次々登場し,それぞれ楽しませてくれました。

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本日は,晴れ過ぎない天気で気温の面では丁度良かったのですが,風がかなり強く,演奏者の方は譜面台が飛んでいかないか神経を使っていたようです。最初に登場した遊学館高校吹奏楽メンバーが,譜面が飛んでいかないようにサポートする「裏方」の仕事をずっとされていましたが,この辺が野外公演の大変なところです。

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↑最初に登場した遊学館高校

演奏された曲は,「日本のマーチ」というのが「課題」となっていたようで,どのバンドも行進曲を入れていました。また,先日亡くなられた,吹奏楽曲を数多く作・編曲していた真島俊夫さんを偲ぶような形で真島さんの作品も沢山登場しました。

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↑今回登場したバンドの中ではいちばん大所帯だった小松高校。120人近くの部員がいるそうです。

今回も石川県内の高校吹奏楽部が中心に出演しました。こういった公演の場合,小松明峰の「風になりたい~宝島」,小松高校の歌謡曲メドレーなど,パフォーマンス入りの曲も楽しかったのですが,本日のいちばんの聞きものは,やはり陸上自衛隊中部方面音楽隊の演奏だったと思います。

それほど大編成ではありませんでしたが,音がピシッとした張りと透明感がありました。本家本元という感じの東京オリンピックのファンファーレと行進曲も品格がありました。それと金沢出身のソプラノの鶫真衣さん歌がお見事でした。野外公演ということでエコー付きのマイクを使っていたこともあり,その伸びやかな声が,金沢城の石垣に届くぐらいに広がっていました。

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↑はっきり分かりませんが,指揮者の隣で歌っているのが鶫さんです。今回の歌で,鶫さんは,一気に金沢ではスターになったと思います。

今回,鶫さんの歌を楽しみにしていた人が多かったようで,お客さんは特に沢山入っていましたが,「歌姫登場」に大満足されていたようです。

流石に一日,芝生の上に座っていると疲れたのですが,今年もまた金沢ならではの「自然と音楽」を同時に楽しめる企画を楽しむことができました。


2016/04/29

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 公式CD"la nature"とオリジナル・マスキング・テープを購入。どちらも良い感じです。 #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢で販売しているグッズは,東京のラ・フォル・ジュルネと共通するものがほとんどです。毎回,ルネ・マルタンさんが選曲したCDを売っているので,記念に買っています。今年はla natureと題したCDを販売していたので,早速購入しました。

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収録されていたのは次の曲です。値段は1200円ぐらいでした。

1 シャルパンティエ:モテット「四季」~春(レ・パラダン)*
2 グリーグ:叙情小曲集第3集~春に寄す(ベレゾフスキー(Pf))*
3 ベートーヴェン:交響曲ぢ亜6番「田園」~第2楽章(リス/ウラル・フィル)*
4 ウィールクス:ヴェスタはラトモス山を駆けおりつつ(Vocal8)*
5 シューマン:森の情景(鳥のさえずり入り)~予言の鳥(シャニ・ディリュカ(Pf))
6 スメタナ:モルダウ(リス/ウラル・フィル)*
7 ヤナーチェク:霧の中で~第2曲(ダヴィッド・カドゥッシュ(Pf))
8 ファリャ:スペインの庭の夜~第1楽章(ルイス・フェルナンド・ペレス(Pf),リッツィ/バスク国立管弦楽団)
9 チャイコフスキー:四季~10月(ジョナス・ヴィトー(Pf))
10 シベリウス:トゥネラの白鳥(リス/ウラル・フィル)*
11 カザルス:鳥の歌(鳥のさえずり入り)(ジャヌヴィエーヴ・ロランソー(Vn),シャニ・ディリュカ(Pf)*
12 ヴィヴァルディ:四季~冬 第1楽章(庄司紗矢香(Vn),ポーランド室内管弦楽団)*

*はナントでのライブ録音

時々,鳥の声が入っている演奏がありましたが,金沢でもあるのでしょうか?比較的穏やかな曲が多いので,リラックスしたいときのBGMに良さそうな感じです。

もう一つ購入したのが,オリジナル・マスキング・テープです。実は最近,少々マスキング・テープ集めに凝っており,「オリジナル」という言葉にひかれて,つい購入してしまいました。値段は3本で800円とやや高目ですが,あれこれ使えそうです。

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3本の内訳は,「緑色っぽい自然と音楽のイメージ」「ピアノの鍵盤」「音符と五線譜」です。例えば,携帯電話に貼るとこんな感じです(私には携帯で十分だと判明したので,携帯に戻しました。)。

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無地のメモ帳に貼ってみると,オリジナルっぽくカスタマイズできます。

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その他,例年通り,金沢オリジナルのスウィーツやワインも売っていましたが,取りあえず本日は,「見るだけ」としておきました。

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2016/04/09

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016 ピアノコンサート野々市を聴いてきました。ゲストの金子三勇士さんのピアノはキレ良く鮮やか。流石のリスト!オーディション合格者の演奏と合わ,たっぷり楽しみました #lfjk

気が付くと4月も上旬が終わろうとしています。少しづつ散り始めているけれども,まだ十分に花見日和の好天の中,ラ・フォル・ジュルネ金沢2016のプレイベントの一つ,ピアノコンサート野々市を聞いてきました。

この公演は,毎年この時期,石川県内各地で行われており,オーディションで選ばれた県内のピアニスト(小学生から一般まで)が前半に演奏し,後半はプロが登場するという構成になっています。今回は,注目の若手ピアニスト,金子三勇士さんが登場するということで,金子さんを目当てに,野々市まで聞きに行ってきました(車だと30分もかからないので,ほぼ金沢市内ですね。)。

金子さんのお名前ですが,「三勇士」と書いて「みゅーじ」と読みます。時節柄,思わず真田十勇士を思い浮かべてしまうので,「さんゆうし」と呼んでしまいそうですが,ピアニストにぴったりのお名前です。一度見たら忘れられません。

金子さんはお父さんが日本人,お母さんがハンガリー人ということで,ハンガリー系のレパートリーを得意としており,今回もまず名刺替わりの一撃(?)という感じで,バルトークのオスティナートという,強烈な打鍵が続く演奏で始めました。

その後はラ・フォル・ジュルネ金沢のテーマを意識して,「星」(キラキラ星変奏曲),「月」(ドビュッシーの「月の光」)が演奏されました。どの曲もピアノの音色が美しく,クリアに音が広がるのが素晴らしいと思いました。その後,ショパンの幻想即興曲を演奏した後,お得意のリストのハンガリー狂詩曲第2番が演奏されました。

大げさになり過ぎることなく軽やかに始まったのですが,後半に向かうにつれて華やかさと迫力が増し,ほとんど足踏みを交えるような感じで,天衣無縫な演奏を聞かせてくれました。

金子さんは,最近,ユニヴァーサル・ミュージックから「ラ・カンパネラ」を中心としたCDを発売されていますが,そのプロモーションを兼ねる感じでアンコールでこの曲が演奏されました。これはさらに磨きがかかった演奏で,まさに鐘を思わせる硬質な感じと,豪快に鳴り響くスケール感とを堪能しました。

金子さんは演奏の間にトークをはさみながら演奏されましたが,このトークも大変こなれており,スター性十分のアーティストだと思いました。演奏会後はサイン会が行われ,大盛況でしたが,これからさらに知名度を高めていくことでしょう。王道を行くようなピアニストになることを期待しています。

ちなみに金子さんは1989年生まれ。オーケストラ・アンサンブル金沢とほぼ同じ年齢です。その点でも親しみを持ってしまいました。

前半の地元ピアニストによる演奏では,連弾を交え,モーツァルトのソナタを中心に演奏されました。ピアノの発表会のような雰囲気で,さすがにちょっと緊張気味の表情が見られましたが,プログラムが進むにつれて,年長者が登場し,だんだんと演奏も大人っぽい感じになってくるのがとても面白いと思いました。それぞれの世代ごとに良さがあると思いました。

このラ・フォル・ジュルネ金沢のプレイベントもすっかり恒例になっています。アマチュアとプロの世界をつなげ,日常と音楽祭とをつなげる,とても良い企画だと思います。

今年はあと一回,4月17日に七尾で行われ,沼沢淑音さんがゲストで登場します。こちらも若手ピアニストということで,今回同様に生きの良い演奏を楽しませてくれそうです。

2016/01/30

ラ・フォル・ジュルネ金沢2016「ナチュール」 主要公演が決まりました。中嶋彰子,ラデク・バボラークなど金沢独自企画も強力です #lfjk

今年もラ・フォル・ジュルネ金沢のチケット発売のシーズンになってきました。これまでは,作曲者を中心としたテーマだったのですが,今年からは,作曲者や時代にこだわらないテーマになりました。2016は「ナチュール:自然と音楽」というテーマの下,多彩な音楽が演奏されます。

本日のOEK定期公演で「2月版」のパンフレットが配布されたのですが,「自然」というかなり緩いテーマですので,ありとあらゆる曲が含まれているようです。例えば,アンヌ・ケフェレックさんの独奏で演奏されるモーツァルトのピアノ協奏曲第21番...どこが自然?といったところがありますが,この際,あまり深く気にしない方が良いかもしれません。

今年は,以下のとおり公式Webサイトのデザインが早目に完成しているようです。その中から個人的に楽しみなポイントを紹介しましょう。
http://lfjk.jp/index.html

●4月29日 オープニングコンサート
井上道義指揮OEK+ジヨン・イム(ヴァイオリン),森川元気(バス・トロンボーン),中嶋彰子(ソプラノ),直野資(バリトン)。OEKの編成を拡大し,「ローマの松」の抜粋が演奏されるようです。

●5月3日
石川県中学校選抜吹奏楽団・・・これまで高校吹奏楽部が本公演に登場したことはありましたが,中学校選抜は初めてですね。

LFJKの常連,アンヌ・ケフェレックとカンマー・アカデミー・ポツダムによるモーツァルトのピアノ協奏曲第21番。以前,ケフェレックさんは27番の素晴らしい演奏を聞かせてくれました。21番はケフェレックさんの雰囲気にぴったりだと思います。

「プロヴァンスの海と陸」つながりでヴェルディ「椿姫」の抜粋が演奏されます。佐藤正浩指揮OEK。これも新しい試みですね。

ベルリン・フィルの第1ヴァイオリン奏者の町田琴和さんの独奏+OEKで,ヴィヴァルディの四季が演奏されます。

ホルンの名手,ラデク・バボラークが登場。これは「びっくりぽん」です。LFJKについては,昨年のヴェンツェル・フックスさんをはじめ,ベルリン・フィルとのつながりがあるようですね。

●5月4日
井上道義指揮京都大学交響楽団でドヴォルザークの交響曲第8番。

OEKの編成を大きくして(フェスティバル・オーケストラという名前になるようです),ストラヴィンスキー「火の鳥」とチャイコフスキー「白鳥の湖」組曲

ヨンミン・パク指揮プチョン・フィルでマーラーの交響曲第1番「巨人」。花の章付きというのがナチュールなところですね。

菊池洋子さんのピアノ独奏+OEKでグリーグのピアノ協奏曲。これは北欧の自然が目に浮かぶような曲ですね。

児玉麻里+児玉桃+OEKメンバーでサン=サーンス「動物の謝肉祭」。

数年前のLFJKにも登場したことのある,ピアニストのルイス・フェルナンド・ペレスが登場。このピアニストは聞き逃せませんね。

恒例の能舞との共演。今年は「月に憑かれたピエロ」抜粋など歌モノが中心。しかも歌手が中嶋彰子さん。

ハイドンの弦楽四重奏のタイトルは結構ナチュールです。「ひばり」「日の出」「鳥」がアルデオ弦楽四重奏団によって演奏されます。

北國新聞赤羽ホール公演が,5月4日にも行われます。これは初めての試みです。栗コーダーカルテットは,名前がナチュールですが,楽しい演奏を聞かせてくれそうです。

●5月5日
新日本フィルによるホルスト「惑星」。この曲が金沢で演奏されるのは...2001年の音楽堂開館の時以来ですね。

井上道義指揮新日本フィルによるグローフェ「グランドキャニオン」。これはテーマどおりの選曲ですね。武満徹「グリーン」との組み合わせというのが,井上さんらしいですね。グランド,グリーン,グローフェ...と韻を踏んでの選曲?

井上道義指揮OEKによるベートーヴェン「田園」。お馴染みの曲ですが欠かせませんね。

アブデル・ラーマン・エル=バシャの演奏でベートーヴェンのピアノ・ソナタ「田園」と「テンペスト」。これも聞き逃せません。続いて,OEKメンバーとの共演でシューベルトの「ます」

福間洸太朗さんのピアノで,自然関係の小曲各種。

2015のLFJKで素晴らしい演奏を聞かせてくれたオリヴィエ・シャルリエさん。今年はトリオ・オウオンのメンバーとして,ピアノ三重奏曲を色々取り上げます。

小山実稚恵さんの独奏でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。大トリの演奏ですね。

●その他
4月28日ガラコンサート@北國新聞赤羽ホール

5月1日 街なか公演@北國新聞赤羽ホール
中嶋彰子さんほかで千住明「滝の白糸」ハイライト 千住明さんが解説してくれるようです。

金沢の自然を音楽にしたら!?4人の人気作曲家が競演 池辺晋一郎,青島広志,千住明に加え...あの新垣隆さんも登場。

5月1日にもラデク・バボラークさんの公演がありますが,今回はたっぷり金沢に滞在してくれるようですね。

ちなみにパンフレットの表紙に使われているイルジー・ヴォトルバさんイラストですが...鼓門の奥にJR金沢駅ではなく,夕日(朝日?)があるという中々大胆なデザインです。

その他の無料公演などは,これから続々発表されてくることでしょう。

2015/05/05

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015最終日 クロージングコンサート「みんなでメサイア」でOEKとお客さん一体になって盛り上がりました。立つと世界が変わります。ただしハレルヤ・コーラス...歌えそうで歌えませんねぇ #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015も本日が最終日。快晴の中,私は朝10:00から夜20:30頃まで,ほぼ30分感覚でフルにハシゴをしました。


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植木等も歌っているように「いつの間にやらハシゴ酒...わかっちゃいるけど,やめられない」という域になりつあります。これも「ラ・フォル・ジュルネ」の精神の一種かもしれませんが,家族からは呆れられています(既に放置されています)。
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日中の公演では,チョン・ミョンフン指揮&ピアノの2公演が大入り満員でしたが...「バッハ,ヘンデル,ヴィヴァルディ」から逸脱した公演だったので,個人的には音楽祭全体から見ると「なぜここに入る?」と違和感を感じました。
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それと,「コンサートホールを満員にできるのは,やはり交響曲だけか?」とちょっと寂しく感じました。...と言いつつも「チョン・ミョンフンが来る」ということで,しっかり聞いてきました。
ベートーヴェンの交響曲第7番はOEKの得意のレパートリーですが,弦楽器の編成がかなり大きかったこともあり,OEKで聞くのとは違った迫力を感じました。ただし,OEKの演奏に耳が慣れているので,やはりやや大味かなと感じるところがありました。
これまで聞いてきた「何が出てくるかわからない」バロック音楽の数々と比べると,古典的なレパートリーを改めて聞くこと自体,妙に予定調和的にも感じました。OEKの場合,レパートリーの幅が狭い分,常に予定調和的なものを打破しようと,あれこれ手を変え,品を変えチャレンジしているようなところがある気がします。

そう感じたのは,本日の夕方に邦楽ホールで行われた,アビゲイル・ヤングさんとOEKの弦楽セクションによるヴィヴァルディの「四季」を聞いたからかもしれません。この演奏は,「OEKの歴史の一つの到達点」を示す演奏だったと思います。ヤングさんと各パートのトップ奏者がコンタクトを取りつつ,全員がソリストのように演奏していました。指揮者なしにも関わらず,メンバーはヤングさんの動きにしっかり反応することで,「夏」の第3楽章のような急速な部分でも全く乱れることなく,迫力と気迫たっぷりの演奏を聞かせてくれました。
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その他,邦楽ホールで聞いた,御喜美江さんのアコーディオンにも感動しました。アコーディオンは人間の体調がそのまま反映する楽器だと御喜さんはトークで語っていましたが,まさに御喜さんの人生そのものが表現されたような演奏の数々でした。

アンヌ・ケフェレックさんは,毎回毎回レベルの高い演奏を聞かせてくれることが素晴らしいのですが,今回は,バロック音楽の小品を沢山ならべて,45分の音のドラマを伝えてくれました。「途中で拍手はいれないでください」と日本語で語った後,演奏を開始したのですが,ヘンデルのパッサカリアから始まり,抒情的な曲も含め,最後はヘンデルのシャコンヌで締めるという,とてもよく考えられた選曲でした。最後のシャコンヌ自体,人生の起伏を感じさせる曲で,「バロック音楽もいろいろ,人生もいろいろ」と島倉千代子のような歌のようなことを思いながら,45分のケフェレックさんのピアノに集中しました。

コンサートホールでは,アンドラーシュ・ケラー指揮コンチェルト・ブダペストが,「朝一」と「最終」の2回登場しました。ケラーさん自身のヴァイオリンも素晴らしかったのですが(実はセルゲ・ツィンマーマンさんの方がメインかと思っていたのですが,ケラーさんの方が中心でした),最後に登場した,ラーンキ一家(3人ともピアニスト)との共演が独特の世界を作っていました。
バッハのクラヴィア協奏曲をピアノで演奏すると,どうしても重い感じになり,「ちょっと違うかな」と思ってしまうのですが,それが3台となると,もうバッハを超越した感じになります。

今回はさらに,ドゥカイというハンガリーの現代作曲家のピアノ作品(実は,会場にご本人がいらっしゃいました)を組み合わせることで,不思議な陶酔感を醸し出していました。
ちなみにこの公演のピアノの配置ですが,「父・子・母」という形で,まさに「川の字」になっていました。父親のデジュー・ラーンキさんは,実は1980年代の中頃に一度,金沢でリサイタルを行っています。その公演を聞きに行ったことがあるので,その当時の自分のことなどを思い出しながら,色々と懐かしくなりました。
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さて,クロージングコンサートです。ラーンキ一家の公演が終わった後,地下に向かうと既に長蛇の列ができていました。今年もこの公演は大人気でした。

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最初,曽根麻矢子さんの独奏で「スキタイ人の行進」が演奏された後,ヌオーヴォ・アスペット・ブレーメンが登場し,ヴォーカル付きの古楽が演奏されました。内藤淳子さんと岡本誠司さんのヴァイオリンでバッハの2台のヴァイオリンのための協奏曲が演奏され,さらにソプラノの小林沙羅さん,バスの森雅史さんの歌を交えて,バッハのカンタータの中の1曲が歌われました。

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会場の交流ホールは,音響的にはベストではないのでが,大相撲の「砂かぶり」のような所でアーテストに接することができるのが魅力です。特に小林沙羅さん,森雅史さんのお2人の声が頭の上から降って来るのが嬉しかったですね。このお2人は,井上さん指揮の「フィガロの結婚」にも登場しますので(アナウンスがあると思ったのですが,特になかったですね),近いうちにまた再会できそうです。

その後,バッハの「主よ人の望みの喜びよ」とヴィヴァルディのグローリアの一部が「金沢フィガロ・クワイヤ」の合唱を加えて歌われました。ヴィヴァルディのグローリアは,是非全曲を聞いてみたい曲だと思いました。

そして,最後の「みんなでハレルヤ・コーラス」のコーナーになりました。「きっと,青島広志さんあたりが簡単に指導してくれるのだろう」と思っていたのですが,やはり,そんな短時間で簡単に指導できるはずもなく,そのまま「歌える人は歌ってください」という感じで音楽が始まりました。
回りの人たちが立ち上がったので,「適当に歌ってみるか」と私も立ち上がってみました。

立ち上がると世界が変わることが分かりました。まず,オーケストラの音がよく聞こえ,奏者との距離がさらに近くなった感じがしました。気持ちが良いですね。
ただし...「ハーレルヤ」と歌い始めたものの...後が続きません。しかも私のすぐそばにいた人が,どう見ても(どう聞いても)経験者で,しっかりとテノールのパートを歌っていました。これだと適当に歌うわけにもいきません。ということで,「まぁ,ハレルヤ・コーラスは起立して聞くという習慣だから」ということで,立ったまま聞いていました。
唯一歌えたのが男声のユニゾンになる,最後の方に出てくる「King of Kings」の部分です。ここだけはしっかり参加できました。いずれにしても,「少しでも参加できると気持ち良い」と実感できました。

それにしても近くに居た人は,きっちりと歌っていました。通常の歌詞の裏で,男声パートだけ「ハレルヤ,ハレルヤ...」と歌っていたり,結構,忙しげな曲だと分かりました。
この演奏の時,OEKのメンバーの一部が会場の通路でも演奏していたのですが,これも良かったと思います。
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というわけで,「歌いたいけど歌えない」という歯がゆさはあったものの,クロージングコンサートならではの,年に一度の一体感を味わいながらお開きとなりました。
毎回このコンサートが終わると,OEKをはじめとした演奏者の皆さんに加え,音楽祭の運営にあたったすべての方に感謝をしたくなります。その感謝の気持ちを表現するためにも,「お客さん参加型」クロージングコンサートを今後も定例化していってほしいと思いました。ただし,もっと簡単な曲が良いかもしれませんね。

*
最後に,来年のテーマが井上道義さんから発表されました。「自然」とのことです。「作曲家しばり」でないとすれば,どういう曲が入ってくるのだろうか?「アート」は「自然」の対義語でもあるので,難しそうだけれども面白そう...などと思いを巡らせながら帰途につきました。
自分自身も含め,参加された皆様,お疲れ様でした。

2015/05/04

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015 天候は良くなかったのですが本日も大盛況。ラ・ヴェクシアーナの異次元の世界のモンテヴェルディなど声楽曲中心に楽しんできました。シャルリエさんの無伴奏ヴァイオリンも凄かった #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2015本公演2日目は,朝からずっと天候が悪かったのですが,朝10時から夜21:00近くまで,しっかりとバロック音楽の世界に入り浸ってきました。

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朝一は,仲道郁代さんのピアノによるバッハのパルティータ2曲。型があるからこその自由さを感じさせてくれました。
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コンサートホールにはOEKが登場。昨日の午後は東京のラ・フォル・ジュルネに出ていましたので,かなりのハードスケジュールですが,北陸新幹線のお蔭でかなり移動の労力は軽減されているかもしれませんね。「水上の音楽」抜粋は,いかにも井上道義さんらしい,照明や楽器の配置にこだわった,誰にも「一目瞭然」の爽快な演奏。 後半は,ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者,ヴェンツェル・フックスさんのために作ったプログラム。「バロック時代にクラリネットはなかったのですが...」と井上さんは語っていましたが,フックスさんの隅々まで磨かれた音色にお客さんはすっかり魅了されていたようです。フックスさんの奥さんの実家は金沢なのですが,是非,来年以降も5月に「里帰り」して欲しいものです(できればBPOの仲間と一緒に)。
アートホールに移動し,松原混声合唱団による「メサイア」の合唱曲などのプログラム。アートホールのサイズは,合唱には小さすぎると感じたのですが,その臨場感は素晴らしく,迫力に圧倒されました。 後半は信長貴富の「ヴィヴァルディが見た日本の四季」。ヴィヴァルディの「四季」の各季節が始まった後,日本の唱歌などが続くという曲でしたが,その選曲のセンスがよく大変楽しめました。「夏」に「城ケ島の雨」が出てくる辺り,いいなぁと思いました。
ここで1回公演を外し,昼食を食べた後,エリアイベントめぐり。
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百万石ウィンド・オーケストラの行進曲集。もてなしドーム下は,残響が長く,とっても充実した響きを聞かせてくれました。
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JR金沢駅コンコースでの細川文さんと田島睦子さんの演奏も大盛況。
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交流ホールは,青島広志さんの司会による合唱イベント。ものすごい数の子供たちが赤い八角形の上に乗っていました。
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その後,人気公演の「能とバロック音楽のコラボ」公演へ。パリ・コロンヌ弦楽四重奏団の演奏は,ちょっとインパクトが薄い気がしましたが,最後に出て来た「マタイ受難曲」のアリアによる能舞とのコラボは,「光の十字架」を背にした舞台全体の雰囲気が素晴らしく,見入ってしまいました。石川公美さんの声にも痛切さがあり,印象的でした。
本日2回目のOEKの公演は,昨日の東京公演に続いて,バッハのマニフィカトを中心としたプログラム。ブランデンブルク協奏曲を思わせるようなトランペットの高音が印象的な曲で始まり,松原混声合唱団の充実感のある響きと小林沙羅さんや森雅史さんらを中心とする若手独唱者の生きのよい声が井上道義さんの下でしっかりと絡み合っていました。
金沢市アートホールに移動し,オリヴィエ・シャルリエさんのヴァイオリン独奏。バッハの無伴奏曲などが演奏されましたが,この演奏には感服しました。有名な「シャコンヌ」を初めとして,技巧をこれ見よがしに見せびらかすことなく,平然と伸びやかな音楽を聞かせてくれました。この公演は,井上道義さんも聞きに来ていましたが,是非,OEKの定期公演での共演も期待したいと思います。
そろそろ疲労感が出てくる時間帯でしたが...古楽グループ,クラウディオ・カヴィーナ指揮ラ・ヴェクシアーナの演奏は,何というか異次元の美しさを持った演奏を聞かせてくれました。前日のリチェルカール・コンソートに続き,「古楽系の団体でコンサートホールを一杯にするのは難しいんだなぁ」と実感しましたが,そのステージは本当に見事なものでした。 楽器,合唱とも室内楽編成で,カヴィーナさんを含めて11人編成でしたが,そこから出てくるモンテヴェルディのマドリガーレは300年以上前の音楽とは思えない瑞々しさと透明感に溢れていました。音が小さくまとまるというよりは,ホール全体にしっかりと広がっていく感じがあったのも素晴らしく,「これは癖になるかも」と思わせる,独特の魅力を持った音楽を聞かせてくれました。
この日最後は,先ほどの「マニフィカト」の独唱者チーム(メゾ・ソプラノだけ小泉詠子さんに変更)による,ヘンデルのオペラ・アリアを中心としたステージでした。アートホールの場合,声の迫力がダイレクトに伝わってくるので,まさに声の饗宴となっており,若手歌手たちの声の魅力をしっかり味わうことができました。
長時間,演奏を聞き続けたので,さすがに疲れましたが,特に「人間の声の素晴らしさ」「バロック音楽は古くない」ことを実感した1日でした。 さて,明日が最終日です,チョン・ミョンフン指揮の2公演が「完売」とのことですが,クロージングコンサートに向けて,明日も大きく盛り上がることでしょう。

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